劇場公開日 2018年11月23日

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「実録映像、秘蔵音源、に飽きたらない全体構成の良さ。」エリック・クラプトン 12小節の人生 Atsuhitoさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0実録映像、秘蔵音源、に飽きたらない全体構成の良さ。

2018年12月1日
iPhoneアプリから投稿

まず、全編にわたって実録映像であることがよかったです。脚色のないありのままの人生がこれほどまでに試練に満ちたものである人が他にいるでしょうか...。

ジミ・ヘンドリクスやジョン・レノンなど同じく今日の音楽に大きな影響を与えたミュージシャンが先立つ中、同じようにドラッグやアルコールと切っても切れない関係にある当時の音楽業界を生きた彼が、今生きている。その事実が、どこか信じがたい奇跡的なものであることのように映画を見終わって感じました。

映像が実録のもののみであるが故に全体が怠惰になる事を危惧していましたが、実際にはその音楽変遷にのっとって巧妙に抑揚をつけた展開で最後までその映像と音楽に引き込まれてしまいました。特にJohn Mayall&The Blues Breakers、Cream時代の音源はほんとヤバいです。

特に有名なパティ・ボイドとの恋愛と名曲「Layla」「Bell Bottom Blues」の関連も、エリック・クラプトン本人の話や映像が入る事で過剰に脚色されることなくああ本当に好きだったんだな、悩みに悩んだんだな、そしてそれを音楽に落としこむ身を削るような日々の記録に素直な感動を覚えました。

ファンにとっては秘蔵映像やレア音源の宝庫であるだけでなく、ひとつの映像作品としても申し分ないものです。ファンの方は間違いなく劇場で観るべきだと思います!知らない、でも音楽映画を楽しみたい!って方は「ボヘミアン・ラプソディ」を選びましょう。笑

Atsuhito