七つの会議のレビュー・感想・評価
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萬斎さんはサラリーマンに見えないな
ドラマと言えば医者/弁護士/警察/企画宣伝関係が多い中、メーカー技術屋ものは池井戸作品が面白い。
今回もドラマとしては面白い。ただ検査偽装やルール違反が問題になる昨今とはいえ、今回の事の流れには無理がある。
骨太な社会派ドラマでは無かった
昨年空飛ぶタイヤを見て、同じような社会派ドラマを期待して視聴。原作は未読。
見終わった感想は「テレビドラマだなぁ」と。
出てくるキャストの演技がいちいちクドい。基本的にすぐ大声出す。セリフも大袈裟、野村萬斎が落ち着いて見えるくらいに皆演技演技してる。
そのせいか、舞台の設定や展開もイマイチ御都合主義に見える。全体で見るとありえない話では無いんだろうけども。
ただ、つまらない訳ではなく、面白い方の映画だったと思う。脚本も俳優も悪く無いのに、味付けが自分には合わなかったのだろうか。
とにかく自分には合わなかった。
☆☆☆★★ 原作読了済み。 先ずは原作を読んだ率直な感想。映画はま...
☆☆☆★★
原作読了済み。
先ずは原作を読んだ率直な感想。映画はまだ未見の状態で…。
原作は全8話により構成されている。
どうやら池井戸潤ファンの間では傑作との認識らしい。確かに読んでいてもワクワクさせられた。
途中までは…。
全8話には、それぞれ中心となる人物がおり。その人となりが描かれて行く。
特に、中盤にあたる3話から5話までは本当に面白い。
ただ気になったのは。その8話の内、第2話目と第4話目。それと第5話目は、ほぼほぼ読み終えるとそこの話だけで独立している様に感じる(実は連動しているのだが)内容なので。映像化した際には丸々カットされるおそれは否めないと感じた。そうしないと、2時間とゆう尺に収めるのは難しいだろう…との思いも。
(6話目の北川の話も、詳しく描くのはどうなのだろうか?)
そして最大の謎なのが、原作に於いて読者が1番魅力的と感じるキャラクターの《居眠り八角》だ!
彼は典型的なグウタラ社員なのだが。何故だか社内でも一目置かれている。
原作でも。全8話の内7話までは、重要な時にちょこちょこっと顔を見せ。最後の8話目には刑事コロンボ並みの活躍を見せる。
1番謎な要因として。このグウタラ社員である《居眠り八角》が。過去の【社内隠蔽工作】をある程度把握していながら、何故何の行動も起こさなかったのか?何故この倒産の危機に陥った《今》になって、彼の中での【正義感】が生まれて行ったのか?…が、読んでいて謎として残った。
いや!決して貶している訳では無く。本当に、素直に思った気持ちからですが…。
とは言え。戦後の高度成長時代を経て、日本の典型的と言える《モーレツ社員》の奮闘振りを始めとして。とかく【嫌われ者が世に蔓延る】世界への憤り。【正直者が報われない】世の中を憂いているかの様な登場人物像を対比させた描き方で。それぞれの話で中心となる人物達が。産まれて生を受け。親から受け継いだ教育や環境が、どんな考え方や性格へと変わり。この【隠蔽工作】とは、どの様に関わったのか?…を描く形式の原作になっているのは、素直に凄い!と思わせずにはいられない。
ちなみに、秀逸な予告編で効果的な台詞の「売って!売って!売り叩く!」や、「まるで犬だな!」…と言った。印象的な台詞は、原作には全く無い。
以下、映画を観終えた感想。
いや!いや!いや!いや!いや〜!これぞ典型的なテレビドラマと言える程に、全てを台詞で説明していたのには、まさにビックリこき麻呂でしたΣ(゚д゚lll)
本来、歌舞伎や能と言った、伝統芸を修得した役者さんならば。立ち振る舞いで有ったり、所作等の《芸》により、その美しさが少しづつ身体的・心の奥へと入り込み。やがては、その演じる人間像を形成させて行く。
それを我々観客側が受け止める…のだと思うのだが。
スクリーンの画面上に提示される、野村・香川・片岡を始めとして。登場人物の全ての俳優達が、良く言えば【漫画的】悪く言えば【大袈裟】な演技に終始しているのは、まさにテレビ的な勧善懲悪ドラマを目指しているのは明らかで。観客側は、それを楽しめるかどうか?が全てと言える。
…のかな?〜と。
それにしても、原作だと主演にあたる《居眠り八角》と準主演の位置に居る原島。
この2人の内、八角は各話にチラチラっとだけ登場するだけだし。原島に至っては全くの空気と言える様な存在の無さ。
元々この【社内隠蔽工作】は、第4話の新田。第5話の佐野。それに第6話の北川の告白を含めて明らかになって行くのだが…。
流石にそれでは映画として「どうなのか?」…との思いが強かったのか?始めは原島と第3話の主役優依のバディムービーから発展して。やがてはハ角・原島・優依のトリオにより明らかになって行くのは、映像化としては正解だと言えるのではないだろうか?
何よりも、原作を読んだ限りに於いては。↑にも記した様に《居眠り八角》として蔑まれ。幾ら会社の事を思って…とは言え。【社内隠蔽工作】に対し、長い期間に渡って口を出さなかった八角が。突如として【正義感】に目覚める姿に、今ひとつ釈然としない思いを感じたからなのですが…。
(映画化のラストには、ハ角本人の口から心境の変化が語られる。確かに原作にも描かれてはいたが、映画で語られる程の説得力は感じられ無い。)
そして優依が中心となる第3話。原作を読んだ時に1番魅力的で、面白く読んだ話で。この話だけで退陣してしまうには全く惜しい人物像でした。
それだけに、彼女が映画の中で大活躍するのはまさに嬉しい悲鳴。
(彼女は原作の最後にチラッと登場するのは、映画の中でも再現されていた。)
もう1人、第4話の主役の新田。
予告編から考えて。原作を読んだ時に新田役はおそらくオリラジ藤森だろうと思いながら読んでいたが。この新田役は少ししか登場しないが、とても面白い役回り。「ひょっとすると、1番の美味しい役なのじゃあないか?」…と思っていた。実際に映画を観ても面白い役回りで、オリラジ藤森の演技も良く。今後も脇役俳優として重宝されそうだと感じた。
そんな良いところも有るものの、総体的に言うと。『マスカレード・ホテル』を観た時にも感じたのですが、映像で語るよりも、全てを台詞に頼っているのを観るにつれ。如何にもテレビ局の製作した映画だなあ〜…というのが、映画を観終わっての率直な感想でした。
2019年2月3日 イオンシネマ市川妙典/スクリーン6
萬斎の薄ら笑いが光る。
結果的に悪役を倒すことは出来なかったし、メンバーそれぞれが本当に幸せかは分からないけれども、それくらいがいいのかもしれない。
お芝居を楽しむ映画というか、演者さんみなさんのワザが光るような映画だったかなと思います。
製造業のことはわからないのでリアリティのところは特に気にせず楽しめました。
上映時間はほぼ2時間でしたが、魅力的なお芝居に引き込まれて飽きずに観ることができてよかったです。
客層はいわゆるオジサン世代の方々で、上映中ちょっとうるさいなぁと思いましたがまぁ仕方なし。
ザ・日系企業の体質というか、大手企業傘下のグループ会社で勤める悲哀というか。
組織の力学的なところがうまく描かれて(たぶん皮肉られて)、典型的な日本企業に勤めていた経験のある私には納得できる人物関係と雰囲気でした。
誰が悪いのか
2019-012@吉祥寺オデヲン
今年初めての吉祥寺オデヲン。お昼の回だったからかお客さんで賑わっていた。
客層としてはシルバー層が大半を占めているような気がした。これが池井戸潤の客層なのか。
池井戸潤の作品といえば、だいたいの作品が主人公達の手によって企業の闇が暴かれるって感じだと思い込んでる自分だけど、この作品も例に漏れずか。
このお話の中に出てくるサラリーマンのことを、かっこ悪い、ダサイなどと切り捨てる人もいるだろうけど、果たして自分が似たような状況に直面したときにも同じ事を言える人はどのくらいいるんだろう。
どうしても自分だったらどうしているだろうか、と思わずにはいられない。
これは企業のお話だけど、学校なり大小様々なコミュニティにも置き換えられる話だとも言える。
気づかないうちに不正をしていることもある。希望を胸に入社して頑張ってやっている仕事が実は不正だったなんて事だってたぶんある。
自分が背負っているものを引き換えにして大きなものと戦うことができる人は少ない。
八角達は戦った。
豪華出演陣のサラリーマン映画
今時こんな会社あるのかなって感じの大企業におけるパワハラや闇を一風変わった元・伝説の社員が解決していくストーリーで、最初の話の展開というかテンポにリアリティを感じられないと厳しいかもしれません。期待を裏切る驚きやハラハラする展開がそこまでないのですが、この手の話は奇をてらうよりもある程度既定路線でいってほしいところもあると思うので映画で観るよりドラマだったら程よい展開なのかも?豪華出演陣の顔芸が楽しいので、半沢直樹ファンは面白いかもしれません。
豪華な役者さんのオンパレード
とにかく役者さんが豪華。少ししか出演しないのに驚き……
ドラマ池井戸作品は敵が明確で感情移入しながら観て最後はスカッと解決がお約束ですが七つの会議は黒幕は誰?とミステリー要素もありつつ笑いもおりまぜる盛りだくさんで楽しませてくれます。
個人的には香川照之さんがくせ者感がどうも抜けなくて……顔芸を見てしまうとストーリーに入れません(笑)
くどいんだって
野村萬斎さんのファンで見に行きました。
企業に勤めたことがないのでの会社の仕組み等理解できるのかな?と不安でしたが分かりやすく、最後まで飽きることなくあっという間で楽しめました。
にしても一昔前の年末か正月のスペシャルドラマ並みの超豪華すぎるキャストでみんな顔も演技も濃い濃い(笑)
あんなにくどい顔ばかりの企業なんてあるのか?
話すときも顔が近い!あんな近くで他人と話すの?
会社でみんなあんな表情筋動かすの?(特に香川さん)
と、気になって仕方がないそんな中でミッチーは出ずっぱりの割には、さっぱり顔が箸休め効果で良かった。
萬斎さんもスーツ姿にボサボサ髪は良かったですが、話し方とか笑い方、動き方がいつもの萬斎節で現代劇にはちょっと違和感ありすぎるかな。
あんな話し方するサラリーマンは多分会社にはいないだろ!とツッコミたくなりました。
エンディングで役所さん相手に1人で語る所もちょっと余計かなあと思いましたね。
あれが伝えたいテーマだったのかも知れませんが、あまりセリフで多くを語らないまま背中で語るほうが良かったかも。
とにかくくどいんだって(笑)
日本の大企業の本質を描いている
不正をする事だけではなく、日本の大企業とはどこもこんなものだろう。主人公の八角が最後に語る台詞は全てを物語っている。日本が先進国となれたのもヒエラルキー文化あっての事だ。
狂言師、歌舞伎役者、落語家、漫才師、ロック歌手、アイドル…様々なキャストが出演するのも、この映画の魅力。
会社員人生とは(香川照之苦手の私)
全然大丈夫でした。
最後の萬斎さん率いる八角と香川さん率いる北川が2人で話すシーン。
香川さんの台詞に涙が出てきました。
きっとサラリーマン誰しも社会の不条理に振り回され、それを飲み込みながら真面目に取り組んでいて、いざ振り返ったら同じ事を思うこともあるでしょう。
なんだか沁みました。
自分だったら!?
作品の事例を自分の立場でどうしたか?を考えながら観ていた。
サラリーマンとは?
正義とは?
日本人ならではなのか?
島国だからか?
いざとなったらどう行動するか?
窮地に立たされた時自分ならどうしたか?
今の自分は、こうしたんだろうなー
と、悲しくなる自分がいました。
現代日本の風刺だね
現実にもありそうなストーリーで、日本の会社組織の闇を実感させられる。社畜になるか、外に出るか。でも簡単に外に出られるのは一握りの有能な人。それができなければ定年まで残らざるを得ない。でも今の時代、リストラで残れるとも限らない。
そういう意味では、八角は仕事しなさそうに見えて、要所では仕事してたのかな。
この映画はグローバル社会の中、日本的組織観が破綻してきていることへの警鐘なのかも。会社組織だけでなく、国の組織もね。統計問題が浮上している中、タイムリーな映画ですな。
テンポがよく、役者も贅沢に使っているのも見所です。
これぞ福澤演出
原作は8章からなる連作短編集ということで2時間程度の映画に収まるか心配だった。
ところが上手いことエピソードが取捨選択され、登場人物も絞り込まれているのでとてもわかりやすくまとまったと思う。
さて映画の内容はというと、最初の「怪物登場」の緊迫感で一気に飲み込まれた。舞台挨拶でミッチーが言ってた香川照之の「アワビの地獄焼き」(顔の演技)がたっぷり賞味できる(笑)これこそが福澤節で、一連の「日曜劇場」に通じる迫力の見応えだ。スクリーンでは迫力あり過ぎで「原島」よろしくゴミ箱に突っ伏したくなりそうだったが(笑)
ミッチーと朝倉あきのコンビが適度な緩和剤になっておりダレずに見ることができる。
最後の「八角」の語りは壮大すぎて原作を超えてしまった感もあるが「空飛ぶタイヤ」と差別するにはこれしかなかったんだろうね。
良作!!
こういう系のドラマは出てる人も何人かは「またこの人出てるんだ」という既視感があったけど、野村萬斎さんが主演ということで観に行きました。
原作は読んだことがなかったので初見でしたが、思いのほかテンポよく話が進んでほとんど飽きずに観れました。
素直に面白かったです。
アレもそうだかコレもそう
ものすごい勢いで映像化される「東野圭吾」と「池井戸潤」作品。奇しくもこの時期に二つ並んだが、其々、年間何本作っとるんや!?な位に出てくるので、まぁ当然と言えば当然か(苦笑)。
なので、前提としては原作者が好きであること。もしくは、未だに体験したことがない。のどちらか。原作も含めて中途半端にかじってる自分みたいな人間には、既視感という名の安定感抜群の物語展開が、良くもあり退屈でもあり。ただしそれは、食べなれたものに対する贅沢な感想であり、十分に美味しく頂けたのも事実。
映画的に撮られてる様でそーでもないような所が、賛否微妙に分かれそうではありますが、曲者の饗宴をスクリーンで楽しむには最高の娯楽ではなかったか?などと、思う次第でございます。
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