劇場公開日 2019年3月22日

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「同テーマのどの作品よりパンチが効いてる。」ブラック・クランズマン shinkatoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0同テーマのどの作品よりパンチが効いてる。

2019年11月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

萌える

町山さん解説付きパンフで本作の理解をより深めることが出来る。
人種差別問題を取り上げた作品が多い昨今だが、その多くが過去または現在に起きていることの再現であり、それが忠実であればあるほど作品の中に強いメッセージをもたらすといったものだろう。本作もその流れを踏襲したものではあり、事実を元にしているが、そこにスパイク・リーが付け加えたのが、町山解説にもある「ブラックスプロイテーション」的要素だろう。70年代前半、ブラックパワー時代に量産されたカッコいい黒人が白人ギャングをやっつけるといった映画たち、本作にもこの要素が盛り込まれている。そして結果的にそれがエンタメとしての大成功につながっている。
歴史上で凄惨な目にあった人々が映画で復讐を果たす、タランティーノもやってるそれのスパイク・リーバージョンは、単なる痛快活劇だけでは終わらせない。今、何が起こっているのか、目をそらさずしっかりと目に焼き付ける必要があるだろう。KKKが、一致団結を図るために声を揃えて言うあのワード。。映画と現実世界とのリンクを認識した直後に、今そこにある危機を認識せざるを得ない。
キャスティングが素晴らしい。言うまでもなく素晴らしい主役たちはさておき、フェリックスと嫁のコニー夫婦、あの2人の不気味さは最高だった。。フェリックスの嫁として、コニーは最高。うわー生々しいみたいな笑
あとは観た順番がグリーンブックの後で良かったかも。この後のグリーンブックはぬるく感じるだろう。
「黒人対白人」みたいな浅はかなイメージで終わらせては決してならない。

shinkato