劇場公開日 2019年3月22日

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「そして歴史は続いていく…。。。」ブラック・クランズマン "Auggie" Wrenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5そして歴史は続いていく…。。。

2019年4月15日
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鑑賞方法:映画館

非っ常ょぉ~に
重厚で社会派な作品を描く印象の強い Spike Lee 監督。
そして思えば、
Spike Lee 監督作品を劇場で観るのは初めて (の筈) である。

そんな中今作は、主人公を演ずる John David Washington を始め出演陣が実に瑞々しく、物凄く pop で、hip で funk で、誤解を恐れずに云うならば観衆にとって
“敷居の低い作品” に仕上がっている。

とは云え、
コロラド・スプリングズ初の黒人警官 (←新人=主人公) が
ふと見つけた新聞の宣伝を見て (先ずは電話で) 白人になりすまし (!)、
白人至上主義の過激派団体 Ku Klux Klan (クー・クラックス・クラン: 略称 KKK) のに入団して (!!驚!!) 当時の KKK の潜入捜査に挑むって御話。しかも実話。
時は 1978年 ~ 1979年。
嗚呼、決してちっとも穏やかでは御座らん…っっ

とは云え Pt. 2、
例え唇が厚くとも髪が縮れていようとも
モミアゲが尖っていようが耳が大きかろうが裾が広がっていようが、
それ等でどんだけ同級生達に揶揄された所で勿の論で飽く迄もアタクシ個人だけの事。
モ チ ノ ロ ン デマ ッ タ ク キ ニ シ テ ヘ ン ケ ドwww

だが当時のアメリカで生活していた黒人の方々は残念ながらそうはいかない。
物心つく前っ!所かっっ!!、
産まれる前から、更に両親よりも前から
祖父母よりももっともっと前の頃から
我 が の 預 か り 知 ら ぬ 所 で 既 に 勝 手 に 決 め ら れ て い た 人 生 / 現 実 に 翻 弄 され 続 け る 日 々。

それでも屈する事なく反旗を翻そうとする者達、
今迄意識して来なかった出自に気付かされ新たな感情が芽生える者、
悲しくも起こってしまった先人達の負の遺産を心から悼む者達、
そして微塵の迷いもなく信じる道を突き進む者達 (狂気へ走る者達とも云う)、
全ての真っ直ぐな感情が交錯し、緊張感が臨界点目掛けてジリジリと熱を帯びていく──。

そして更に、Spike Lee 監督は本当にあった話をただただ語るだけにとどまる事を決して許さない。
現在またもや刷新されつつある “アメリカの常識” に激しく疑問を投げかける。

1970年代にアメリカで伝説のドラッグ・ディーラーだった男 George Jung の半生を描いた Ted Demme 監督の『ブロウ』を観た時にも思ったのだが、強烈な意志を持つ無音の静止画の衝撃はむちゃんこ凄まじい…っっ!!

"Auggie" Wren