劇場公開日 2020年3月6日

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「☆☆☆☆ 〝 少女は虹を追いかけた〟 ジュディ・ガーランド=虹の彼...」ジュディ 虹の彼方に 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0☆☆☆☆ 〝 少女は虹を追いかけた〟 ジュディ・ガーランド=虹の彼...

2020年3月8日
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☆☆☆☆

〝 少女は虹を追いかけた〟

ジュディ・ガーランド=虹の彼方に

なのでしょうが、彼女にはもう1つの虹に関する名曲があり。私はこちらの方がどちらかと言えば好きな曲なのです。

♬虹を追いかけて♬

https://youtu.be/taVYJgrr3JI

本日(3/7日)本編を鑑賞しました。
多少の勘違いレビューと参考映像を挙げておきたいと思います。

いきなりではありますが、映画のクライマックス場面の話を。
どうしても、ジュディ ・ガーランドのフアンとしては、ここの場面に触れない訳にはいかないので。野暮を承知でちょっとだけm(._.)m

フアンとしては待ちに待たされた約2時間。遂にこれこそが本当のジュディ ・ガーランドだ!と言える♬カム・レイン・オア・カム・シャイン♬
続けて、不朽の名曲♬オーバー・ザ ・レインボー♬がやっと流れる。

正真正銘の本物!歌手ジュディ・ガーランドと言えばとにかくコレ!

https://youtu.be/nnslgdNb1Ts

続けざまに歌うのは♬オーバー・ザ ・レインボー♬を歌う場面。彼女は過去を遡って、静かに振り返る様に座って歌う。
この映画の製作にあたって、どれだけの真実が映像化されているのか?は多少疑問は残るところ。
ロンドンでのコンサートで、本当に座って歌ったのか?セットリストは?客との罵り合いのバトルが本当にあったのか?等。
(彼女のスターとしてのプライド等を考えると、如何にもありそうではありますが)
おそらくは、↓ このコンサート映像の場面を参考にして撮影されたのでは…と。

https://youtu.be/ss49euDqwHA

今から30年以上前に、この時のコンサート映像の輸入ビデオを買い。この♬オーバー・ザ ・レインボー♬をの映像を見た時はボロボロに泣いてしまったものでした。

正直に言えば、ジュディ・ガーランドの映画が製作…と聞いて思ったのは。

「どう考えても鬱映画にしかなり得ない!」

…って事でした。

その昔に、「ハリウッドのピーターパン」とゆう、ハリウッドの子役で活躍した子供達の話の本を読んでいた為に。ジュディが痩せ薬と言われて薬物中毒になって行く事も知っていたし。何よりも、晩年の話にフォーカスしてしまうと。最後の夫になるのは単なるヒモ男であるのを知っているだけに(´-`)
(意外と途中までは、人の良い男として描かれてはいましたが)

大体、彼女が薬物中毒になってしまうキッカケが。痩せ薬として与えられていたアンフェタミンとは言え、その後に彼女が1番輝いていた時期の恋愛事情にあった。
映画本編ではその事にはっきりとは触れていない。僅かに『アンディ・ハーディ』シリーズで共演したミッキー・ルーニー(当時のマネーメイキングスター)とのコンビで、2人は全米ナンバー1の理想的なカップルに選ばれた時のエピソードが少しだけ描かれているだけだった。
映画の中では「ミッキーにフラれた」…と、語ってはいたが。実際に彼女が、薬物とアルコールに溺れて行くのは。当時、彼女がJAZZミュージシャンとの交流を始めて、夜な夜な遊び始めた1942〜3年辺りから。
当時のJAZZミュージシャンの間には薬物が蔓延していた事で、次第に彼女も過剰に摂取する事となる。
そして最大の原因!それこそ、当時結婚寸前までの間柄だったアーティ・ショーとの破局。
しかも彼女は、当時『美人劇場』で共演したラナ・ターナーを勝手にライバル視していたのだが、そのラナ・ターナーとアーティ・ショーが電撃的に結婚した事から精神が崩壊してしまったのか?ドンドンと薬物とアルコールの過剰摂取に拍車が掛かってしまう。
まあ流石に、そこまで詳しく描いてしまうと。映画本編自体が、ダラダラと長くなってしまうのを嫌ったのでしょうが。

ミッキー・ルーニーとのオフショット

https://youtu.be/OfPwOU8sUEA

映画は彼女が借金に追われ、その日の寝る場所に苦労する場面から始まる。
過去のワガママ放題が祟り。人気はあるが仕事がない日々。いずれは家族ひとつ屋根の下で暮らしたい。だからやむを得ずにロンドンでの仕事を承知する。
ジュディ・ガーランドと言えば♬オーバー・ザ ・レインボー♬に他ならない。
この歌こそは、当時のアメリカにとっての《家族》であり《故郷》を象徴するキーワードとなっていた。

戦時中のラジオショーから。
戦地で戦う兵士達へ向けて録音され。命を賭けて国の為に戦う彼等にとっては、数少ない楽しみの1つであっただろうと想像出来る。

https://youtu.be/XB7-_eSI-Ak

〝 家族と一緒に暮らしたい 〟

映画は後半に向けて、彼女が家族を取り戻そうと戦い奮闘する。しかし、なかなか理想とする生活が送れない。望むとか望まないとかに関わらず、彼女は根っからのエンターテイナーだけに、ステージの上でしか輝く事が出来ない悲しさ。1人の母親として生きて行く事を周りが許してはくれない!いや寧ろ、彼女の方から。知らず知らずのうちにのうちにステージで歌うレールを敷いてしまう。
そんな彼女のフアンとして登場するのがゲイのカップル。
彼女が、当時は虐げられていたマイノリティーの人達への良き理解者だった…とゆう理由からですが。
本当に、このカップルとの交流が、ロンドン公演当時にあったのか…も。映画化に於いての脚色の様な感じはするものの、作品の締めくくりとして実に感動的な場面に昇華されていました。観ていて、思わず涙腺が崩壊してしまったのも事実。

このカップルは、最後に重要な役割を果たす事になるのですが。彼女に対して「64年には行けなかった!」と話すのが、〝エンターテイメントに於ける最高の夜〟と言われた。彼女のカーネギーホールライブの話。
グラミー賞を受賞したこのアルバムこそは、全てのエンターテイメントのまさに最高峰。
映画の中で観客が熱唱するのも、彼女のコンサートでは定番で。このアルバムに於ける会場の盛り上がりは圧巻の極み。
(↓ 最後にこのアルバムを貼っておきます。ミス・ショービジネスと言われた彼女の凄さを感じてください)

そもそもこのゲイのカップルが登場し、仲良く過ごす1夜。この時の♬ゲット・ハッピー♬の使い方の素晴らしさからして感動的でした。
(↓ 下の方に、映画公開前に記していた♬ゲット・ハッピー♬に関する考察を)

作品本編は、確かに楽しい作品ではないだけに。作品賞等の評価は高くならないのは致し方ないのだろう…と。
それでも、ジュディ・ガーランドのフアンとしては、予想していたよりも良い作品だったので安心した…との思いが本音。
但し、ジュディ・ガーランドに興味のない人が観たならば。ドッと疲れてしまう作品ではないでしょうか。

主演のレニー・ゼルヴィガーの熱演はアカデミー賞に相応しく。話題の歌声よりも、何気ない仕草・顔のパーツの細かな動かし方等は本当に素晴らしかった。
何よりも感慨深いのは。1度はハリウッドを追われてしまったジュディ・ガーランド。
しかし、その後に『スター誕生』で奇跡的な復活で見事なカムバックを果たす。

だが…。

アカデミー賞当日。何らかの〝 不穏な動き 〟によって、大本命の彼女は再び失意のどん底へと突き落とされてしまう。

それを知るだけに、彼女の悔しさをレニー・ゼルヴィガーが今回受賞した事で、天国に居る彼女の想いが叶った…のだと、ジュディ・ガーランドフアンとしては思っていたい。

『スター誕生』プレミア上映の映像。
《ジュディが帰って来た》あの時、彼女はカムバックを果たし人生絶頂の時だった。
↓ 約30分の超ロングバージョンです。

https://youtu.be/7OqOCYzqrOg

【♬ゲット・ハッピー♬への道のり】(この考察は少し長くなります)

ジュディ・ガーランドのベストパートナーは映画監督のチャールズ・ウォルターズだ。

https://youtu.be/3XiHNF2ofZs?list=RDIp88WsCkYKg
日本未公開『プレザンディング・リリーマーズ』から。
ジュディのダンスパートナーを務めているのは、後に名作ミュージカル『イースター・パレード』で監督をすることになるチャールズ・ウォルターズが俳優時代に出演した映像。

『美人劇場』から 。ジュディがメインとなったダンスナンバー。
https://youtu.be/Ip88WsCkYKg

当時のミュージカル映画では。美女を囲みながら、男性ダンサーが周りを踊るダンスナンバーが数多く作られ。作品に彩りを添えながら、女優さんの魅力を引き出す役割を担っていた。

以前に、ジュディのダンスパートナーを務めていたチャールズ・ウォルターズは、監督に挑戦するにあたり。映画『ジークフェルド・フォリーズ』の中で。ジュディが出演する場面で初めてダンスナンバーを演出し監督デビューを果たす。
(ダンスナンバーと言うよりは寸劇に近いのだが💧)
https://youtu.be/gchF_zzmOjk

監督としての経験も積み。『イースター・パレード』で、名実共に名監督となったチャールズ・ウォルターズ。
『ジークフェルド・フォリーズ』での初演出では、必ずしも彼女の魅力を引き出す事には至らなかったのを反省し。再びジュディの魅力を更に引き出す為に、『雲流るる果て』で男性ダンサーに囲まれながら踊るジュディのダンスナンバーを演出する。
ちなみにこの映像で、動きが止まっているのは編集でカットされた場面。

https://youtu.be/qb3UkB3JVZY

そして『サマー・ストック』で、チャールズ・ウォルターズは遂に彼女の魅力を最大限に引き出すナンバー♬ゲット・ハッピー♬を演出する。

https://youtu.be/q7d0NRewzW4

しかし、このコンビも。彼女がMGMを解雇された事で終わりを遂げてしまうのだった。゚(゚´Д`゚)゚。

グラミー賞を受賞した1964年 カーネギーホールのライブアルバム

https://www.youtube.com/playlist?list=PLtpFM3sDaV_gA7QfNrH01Upo1ppGvwUdm&feature=share

2020年3月7日 TOHOシネマズ日本橋/スクリーン12

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松井の天井直撃ホームラン