劇場公開日 2019年1月18日

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「スキスキ大スキチョー愛してる!」チワワちゃん 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5スキスキ大スキチョー愛してる!

2021年8月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

チワワちゃんが死んだ。
東京湾バラバラ殺人事件の被害者として。
突然現れ、私たちに爪痕を残して消えていった彼女。
遊んだり、お喋りしたり、キスしたり、セックスしたりした。
それなのに私たちは、チワワちゃんの本名すら知らなかった。

チワワちゃんの追悼記事の取材を受けたミキが、チワワちゃんと関わりのあった、かつての友人や恋人に話を聞いていく中で、それぞれの中に違ったチワワ像があることに気付いていく。
チワワちゃんが何者だったのかは分からない。
でも彼女は、社会の中での若者の立ち位置の具現化であり、搾取される女性の象徴であり。
嫉妬、憧れ、憎しみ、恋、友情、友情を超えた愛。
それぞれファインダー越しに違って見えるチワワちゃんも結局は1人の女の子であった。
知人の死という非日常的な事件を通し、高揚感と悲壮感が漂い、彼ら彼女らが抱える行き場のない感情がパリピ状態のあの場で爆発している。
キスするチワワと吉田を取り巻くような構図も印象的だった。
事件に対する世間の意見や憶測と当事者の知る現実については、センセーショナルなニュースを見るたびに考えてしまうこと。
「若い」と言われるのは、若くなくなるから。
10年後どうしていたいか?
夢があったり、なかったり、同世代の自分に痛いほど刺さる若者視点の若者映画。
陰キャでもムカつかない陽キャだったのも好印象。

今回も二宮健ワールド全開。
極彩色の映像と音楽で描き出す若者の青春。
リミスリとセットで観たい。
好きな人は好きだろうし、嫌いな人は数分で耐えられないと思うけれど、個人的には大好き。ずっと観ていられる。
チワワちゃん役の吉田志織をはじめ、充実のキャスティング。
門脇麦の自然な芝居も、成田凌の安定感も、玉城ティナの美しさと涙も、村上虹郎の良いやつ役も、松本穂香の数分の破壊力も全部良かったけれど、結局、浅野忠信が掻っ攫っていった。
「あんまりうるさいと君の首根っこへし折っちゃうぞ」

カ:男とはすぐ価値観が共有できて、女とはすぐに距離感が共有できる。
チ:女の子は気を使うから疲れて、男の子はラクだけど消耗する。
また観たい。

唐揚げ