劇場公開日 2018年8月3日

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「オルガ・キュリレンコ演ずるピアニストがソ連史を変えた!」スターリンの葬送狂騒曲 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オルガ・キュリレンコ演ずるピアニストがソ連史を変えた!

2019年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ヒトラーと並ぶ完全な独裁者スターリン。息子のバカっぷりも笑えるのだが、それよりも政権内部のいがみ合い、足の引っ張り合いがブラックながらも笑えてしまう。要はスターリン時代に皆が恐怖政治に慄いてしまい、当時の忖度しまくりの幹部たち。スターリンに粛清名簿を渡していたのもベリヤのようだし、権力の下に集う者の愚かさを教えてくれた。

 まだスティーブン・ブシェーミ演ずるフルシチョフは穏健派で国民のことを若干考えているようではあったけど、やっぱりベリヤを処刑に持ち込むということは狡猾なんだろうと印象づけられました。政治経済におけるイデオロギーなんて、この際重要じゃなく、権力を持って周囲の人間を疑心暗鬼に駆り立てられることこそ恐怖だということ。資本主義社会においても同じこと。軍事面や警察力などで絶対権力を与えてしまうと、反体制派は殺されていくものなのだ。

 ロシアでは上映禁止ということでも話題になったらしいけど、過去のことなんだから笑って済ませるような寛容の余地さえないのですね。オルガ・キュリレンコもウクライナ出身だから、中央のことは憎んでいるのかもしれませんね・・・

 学生時代のコンサートで録音頼んでいた奴がミスって全く録音されてなかったけど、俺は怒っちゃいませんよ・・・ヽ(`Д´)ノプンプン

kossy