劇場公開日 2019年2月22日

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「想像の範囲を一歩も超えない」ねことじいちゃん うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0想像の範囲を一歩も超えない

2023年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

そのまんま、想像した通りの映画だった。そこから一歩もはみださない。もちろん期待を上回りもしない。まあ、流しっぱなしにして、就寝前にでもウトウトしながら見てもいいかもしれない。

志の輔師匠の落語のファンで、語り口の見事さに引き込まれ魅入ってしまうが、まったくの別物と考えたほうがいい。落語は師匠の「間」で語られるし、骨組みは新作にしろ古典にしろしっかりした造りだ。この映画にはお話と言えるほどのストーリーが存在しない。

少子高齢化の離島に暮らす人々が主人公なので、そこに越してきた人が、それなりに「わけあり」なのは当然のこと。そこを上手に語っていくのが映画の面白さのはずなのに、老人の日常と猫の暮らしを機微を交えて描いたところで、ちっとも面白くならないのだ。もちろん、岩合光昭が監督をしたということで、固定ファンが見込めると、そろばんをはじいたのだろうが、安直すぎる。

動物トレーナとしては優秀かもしれないが、映画を監督する立場にはまったく向かないことが証明された。

ひとつ収穫だったのは、公開時期に志の輔師匠が、番線でテレビに出まくったこと。そこで披露される話は、マクラとして秀逸で、出演を重ねることで徐々に変化していく様子が見て取れた。テレビは編集が入るので、すべてが師匠の段取りで進行したわけじゃないとは言え、毎日、高座に上がる噺家のマクラが、次第に洗練されて、完成していくさまが見て取れた。これは興味深い展開だった。

うそつきカモメ