劇場公開日 2019年9月20日

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「仙台のPVと思えば」アイネクライネナハトムジーク xmasrose3105さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0仙台のPVと思えば

2020年3月28日
iPhoneアプリから投稿

仙台はきっと優しい町なのでしょうね。そこに根付く登場人物にもれなく幸せが付いてくる、そんな感じです。羨ましいです。小さなすれ違いはあっても、みんな幸せだから、大事には至りません。追い出されず、また自分から出ていかなければ、ずっと続く天国。
多分その幸せって、ぬるま湯的かもしれない。意地悪な言い方をすれば、挑戦とも成長とも無縁な生き方かもしれない。さらに辛口に言ってしまうと、ずるく残酷でもある。自分の代わりに闘ってくれる人に、血みどろになってもらう。他力本願と、自分でもわかっているが、優しい人はそもそも、厳しいことや闘うことは苦手。だから苦手は苦手、ってことで...無理はしない。お互いまた許し合う。この幸せ周波数にうまくチューニングできたら、ユートピアですね。レビューを見て、実際にこういうふうに生きていける方々がたくさんいらっしゃることに、心から驚愕しました。日本はやはり平和で良い国なのだと思いました。
ただずっと一生波風立たず、そこに留まれるのだろうか。そんなに悲観しなくてもいいのかな。藤間さんの奥さんが出て行ったのも、わかる気がするのです。ユートピアの住人が、藤間さんの奥さんの気持ちを想像できる日は来るでしょうか。耳の不自由な少年、青年になっても鬱屈した表情でしたね。彼の気持ちをわかる日は来るだろうか。「落し物」で人と繋がり、知り合うことはあっても、心に橋をかけていくのは意志がないとできません。

xmasrose3105