劇場公開日 2019年9月20日

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「アンサンブル・プレイ?」アイネクライネナハトムジーク 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アンサンブル・プレイ?

2019年9月24日
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鑑賞方法:映画館

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原作未読
例外にもれず多少の改変はあるようだが特に悪く感じない
2時間でコンパクトにまとめるにはあのページ数では無理な話だ
なんでもかんでも詰め込めば良いという話でない
この作品に限らずがっかりすることがほとんどなのだから原作ファンはカネを払ってまで映画を観るべきではない
そんな時間があるなら原作をもう一度読む方が有意義だ

なぜタイトルが『アイネクライネナハトムジーク』なのか観ても分からなかった
クラシックは関係ないし年配の方には覚えにくい
仙台らしさがないし青葉城恋唄のようにキャッチーじゃない
これは映画というより原作の問題だからこれ以上はやめておく

偶像劇である
またはグランドホテル方式
それをうまくまとめているので全く飽きない

最初ガラゲーやブラウン管のテレビだったので違和感あったがあれは十年前の話だったのだ

織田一真役の矢本くんが良い仕事をしている
見事なコメディーリリーフだ
奥さん役もいいツッコミだ
一真が杓子定規でクールな男ならこの作品は多少退屈なものになったかもしれない

美奈子役を演じた貫地谷しほりが素晴らしい
10年前はかわいいのに10年後はかわいいを卒業している
老けメイクをしているわけではない
顔つきが違うのである
独身時代と違い夫を支える妻であり母親を表現している
それが彼女の役者としての非凡なところである
さすがブルーリボン主演女優賞受賞経験があるだけはある

その一方で10年たっても変わり映えしていない三浦春馬や多部未華子は残念である
そりゃ変わらない人もいるけどさ
10年間なんやかんやあったはずだしそれをすっ飛ばしてのあれだ
演出に問題があるなら比較的若い役者でも意見するべきである
それを生意気だと感じる人もいるがいい作品を作りたいという情熱に上下関係も老若男女も関係ない

あとエンドロールで出演者の最後が原田泰造なのは違和感があった
『少女に何が起ったか』なら宇津井健だし『おっさんずラブ』なら吉田鋼太郎だし東映年末時代劇オールスターキャストで主演が片岡千恵蔵なら最後は市川右太衛門だからだ

野川新栄