劇場公開日 2018年6月8日

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「偽物家族の支えあいから生まれた何か?」万引き家族 うにたん♪さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0偽物家族の支えあいから生まれた何か?

2019年4月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

幸せ

偽物の家族の姿を描いているが、観ている内にこの反社会的な生活をしている風変わりな家族を危ういし上手くいく訳がない…と思いながら反面上手くいって欲しいと願ってしまう。

児童虐待は容易に治せるモノではない。
病的な精神や病的な社会から来ているとしたら、難病だろう。

祥太もゆりもさして変わらない状態から夫婦に拾われて(誘拐)されているがゆりは捜索願い提出まで2ヶ月、祥太に至っては探されてもいない様子(パチンコ屋駐車場で車上狙いのついで)

ゆりを家に戻しに行った際にのぶ代がゆりの家の状況を察して膝をつき、ゆりを抱えてしまうシーンや逮捕後にのぶ代が母親について聞かれた際に母親の条件について捜査官に答えるシーンはグッと来た。
樹木希林も「子どもは親を選べない」と言いながら、のぶ代を選んだと答えるシーンもあり、この不自然な家族がお互いにとって必要な集まりだと思ってしまう。

リリー・フランキーは愚鈍で祥太の質問にも満足に答えれず、ワークシェアリングも説明できない……教えれる事も万引きや盗みしかない。でもそれしか教えられないのだ。
集まった偽物家族諸々に事情があり、彼らが一瞬の家族であってもあの家で居た時間は幸せだったと思う。

偽物家族崩壊の引き金は息子が柄本明の店で万引きを働いた際に見逃し、「妹にそんな事させるな」と言われた事からと思う。

勿論、祥太やユリが病気になったりしたら、彼ら夫婦は病院に置いて行っただろうから時間の問題だっただろう。

全てが露見し社会的なルールに照らされて変化を見せる家族に切なさを感じる。
評価を受けた部分を強く感じる事はなかったが妙に感じさせる所はある。
万引き家族と言うタイトルに批判はあったがドラマとしてはもっと不謹慎なものなど幾らでもあるから十分だ。

蛇足だが、安藤サクラがどーんと肌を出してくれてるが流石女優とは思う(笑)
妙齢の色気が出ていて良かった。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)