劇場公開日 2018年10月27日

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「残る余韻がしばらく後を引く秀作」ガンジスに還る MPさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5残る余韻がしばらく後を引く秀作

2018年10月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

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笑える

ガンジス河畔のバラナシは、死して解脱することを待つ人々が集う待機場所。ある日、バラナシに行くと宣言した老父と、多忙な仕事を何とかやり繰りして同行する息子にとって、そこは、なかなか相容れることがなかった親子の"最期の"対話の場所になる。日本に置き換えると養護施設ということになるだろうか。でも、バラナシに漂うインドならではのスピリチュアルな空気が、なぜだか、この物語に奇妙な至福と少しのユーモアをもたらしている。死ぬことは悲しいけれど、残された時間を過ごす少しの知恵さえあれば、もしかして不幸ではないかも知れないと思わせるのだ。そして、同時に、だからこそ、人の命のはかなさが胸に迫って苦しいのだけれど。親子の和解、別れ、人生、新たな旅立ちetc。残る余韻の普遍性が、しばらく後を引く秀作だ。

清藤秀人