劇場公開日 2018年7月20日

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「義憤もあります。」未来のミライ lotis1040さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0義憤もあります。

2018年10月24日
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いやいや、そこまで低い作品ではないでしょ。
高くはないかもしれないけど。
そういう事も加味して、全体の底上げをすべく敢えてこの評価をしてある。
本来の私の評価は3から3.5の間と考えて頂きたい。

まずアニメ感のあるアニメ映画監督というところに
あの美術との違和感は否めない。
他にも挙げれば、キリがないかもしれないが、
私の中で一番嫌だったのは、セリフによる駄目押しだ。
シーンで説明しているのにそこのシーンがこうだからとセリフにしてしまう。
上手いアニメーターがそれを過剰なくらいに表現しているのにだ。
もちろんそうじゃないシーンも多く存在しており、ちぐはぐな感じになってもいてバランスの悪さを感じた。

ただ、過去作と比べて良くなっているところも多くあった。
ストーリーをおそらくクリスマスキャロルから拝借している事もよかった一因ではないかと思う。
スクルージ氏は、数人の亡霊と出会い自分の人生を見つめ直すのがクリスマスキャロルだが、少年自体には過去がないから、多方面に少年の空想の何かと出会う。
そしてその事によって少年は少しずつだが進化してゆく。
スクルージ氏の場合、加齢=死という面もあるのかクリスマスまでの年末が舞台だが、この話は一応冬から始まり、最後は夏で終わる。夏は実りの秋を迎える前の成長の季節という事なのだろう。

CGの使い方も基本的には違和感なく、嘘くさい印象にならなかった。

全体の印象もよい。

主人公がわがまま過ぎてどうもとな少年のこえがどうもという意見はあると思うが、それは好みの問題なので作品の良し悪しと全く関係がない。
少なくとも私はあのキャラクターにとても感情移入した。
声についても最初は多少違和感を持ったが、結果的にははっきりと主人公である事を主張しつつ嫌味にならないバランスの声として丁度よかったのではないかと今は思っている。
たまたま知り合いだったとか事務所のプッシュとかあるのかもしれないが、とりあえずベストではないか。

lotis1040