劇場公開日 2018年5月4日

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「ギルーリーる=膝を蹴る?」アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ギルーリーる=膝を蹴る?

2019年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 伊藤みどりがアルベールビルで銀メダルを獲ったのに、それが全然アナウンスされていなかった。なぜか7位入賞を果たした佐藤優香がアナウンスされてたが・・・

 映画でも語られていたように、やっぱりトーニャ・ハーディングが襲撃事件を起こしたと認識していました。元夫のジェフとボディガードのショーンによる悪だくみ。実際には指示したかどうかという点は不明のままだけど、彼女の家庭環境からすれば、暴力も度々起こしてたんだろうな~と想像してしまいます。それにしても発端となったトーニャへの脅迫状がショーンによるものだったなんて笑ってしまいました。かなりの妄想家だったんですね。

 彼女の生い立ちとか、“労働者オン・アイス”などと揶揄されていたり、ちょっとだけトーニャを応援したくなってしまいます。裁判での申し立てで「私からスケートを取り上げるなんて終身刑と同じ」というシーンはかなりリアルな感じもした。まぁ、マーゴット・ロビーの演技なんですけどね。

 全体的には音楽映画の印象も残ります。演技でZZトップの曲を使っていたなんて笑ってしまいましたけど、映画の中ではクリフ・リチャード、ドクター・フィール・グッド、バッド・カンパニー、ダイア・ストレイツ、マーシャル・タッカー・バンド、フォーリナー、スーパートランプ、ハート、ローラ・ブラニガン、シカゴ、フリートウッドマックなど好きな曲がいっぱい!曲を聴くだけで心地よくなってきました。

 スキャンダルからスケーターとしては身を引いたトーニャ。やっぱり格闘家としてしか生きられなかったのか、全日本女子プロレスからも声がかかっていたとかで、そこまでイメージを変えてしまったのですね。最後の台詞「アメリカには愛すべき仲間と、憎むべき敵が必要」という、アメリカそのものも表現していたようでした。面白い映画だった。

kossy