劇場公開日 2018年3月30日

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「戦争をする覚悟を問われている気がする」ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0戦争をする覚悟を問われている気がする

2018年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画に感動していいものなのか迷っている。自国を蹂躙された日本人として、ロンドン市民の徹底抗戦を訴える声は危うく聞こえたからだ。「never,never,never!」は、誇り高き愛国者の抵抗なのか?「いかなる犠牲を払おうとも」の先にある地獄さえも受け入れるのか?敗北が目の前に見えていた局面でその道を選んだことをたたえるのは、所詮、最後は勝ったから言えるのだ。チャーチルの演説も、言葉を武器として議会全体を煽るアジテーターぶりは、鍵十字をバックにちょび髭を生やせば、どこぞの誰かにそっくりに見えてしまう。一つ、日本人とイギリス国民の大きな違いは、正しい戦況がしっかり伝わっていることではあるが。
演説ののちに五年後に勝利するまで、好転した戦局を示してくれれば、もう少しすっきりとした気分になれたかもしれない。

栗太郎