劇場公開日 2018年6月1日

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「青春映画の傑作」レディ・バード ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0青春映画の傑作

2018年6月4日
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鑑賞方法:映画館

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主演のシアーシャ・ローナンは「ブルックリン」以来、監督・脚本のグレタ・ガーウィグは「フランシス・ハ」以来であったが、本当に素晴らしい作品で感無量であった。
ストーリーはカトリック系の高校にて大学受験を控えている少女クリスティン、自称レディ・バードが家族や友達、恋人との関係性に悩み、苦しみながらも人として成長していく様を描いたものである。
まず、主人公のレディ・バードの人となりが「フランシス・ハ」のフランシスといった感じ。品が無くて痛々しいけど、ちゃんと自分を持っていて憎めない感じ… そうゆう難しい役どころを見事に演じたのはシアーシャ・ローナン。彼女は多感なキャラを演じるのも上手い。また、「ブルックリン」のような郷愁を脚本に加えているため、若干のデジャヴを感じる。
非常にリアリティがあるのが本作の魅力の一つ。各キャラクターの気持ちは一方通行がほとんど。多感な思春期における葛藤や悩み、全ての描写にリアリティがあって痛々しくも鑑賞者の心に寄り添うものとなっている。
主人公の母親役のローリー・メトカーフの演技も絶妙。娘と対立しながらも親として愛情を注ぐ母親を見事に演じていた。ティモシー・シャラメやルーカス・ヘッジズも良い演技だった。
作品全体の雰囲気、世界観が自分のツボすぎた。ウィットに富んだ会話にクスッと笑えるし、全体の関係性を俯瞰で見れるというのが心地よく、人の成長を目の当たりにできる。展開が早いけど密度濃くて飽きることもなく、音楽を含め演出も非常に可憐でその世界に飛び込みたくなってしまう。ここまで、ヴィヴィッドかつ豊潤な映画は久しぶりである。
青春映画が大好きな私にとって、日常的でリアルな描写の中で、そのキャラの心情の変化が見られたとき、そのキャラを愛おしく感じてしまう。その効果が存分に発揮されたのが本作であって、キャラクターだけでなく、作品全体に愛着が持てる。個人的には「JUNO」や「ぼくとアールと彼女のさよなら」に並んで青春映画の傑作だと感じる。
今後のグレタ・ガーウィグの監督作にも注目していきたい。

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ジンジャー・ベイカー