劇場公開日 2018年5月12日

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「偶然の図書館」蝶の眠り kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0偶然の図書館

2019年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

萌える

 犬のトンボはどうなってしまったのだろう。公園のコンクリートに足跡は残っていたのに、自分の存在を残していっただけなのだろうか。チャネも自分の足跡がいつか見つかると涼子に教えられたのに、結局は探せなかったのか・・・それとも彼の書き上げた小説そのものが足跡だったのだろうか。二ヵ月を二ヶ月に勝手に直されたこと、旧姓じゃなくなったのも意味がよくわからなかった。

 日本と韓国の文化の違い、そして男女の別れにおける恋愛感情がそのまま小説にも刻まれていて、「身を引く」ということを教わったチャネ。自身がアルツハイマーに冒されていることを知るのも辛いことだし、晩年には体も動かなくなり、言葉も操れなくなることを知った上での決断。療養所にいる涼子の行動がとにかく痛々しくて胸に突き刺さってくる。何を書いてるのかわからないチャラ字、そして細い手首を曲げているシーンなど、ちょいと母親を思い出してしまった。

 韓国青年と50代熟女の恋愛。映像がとにかく綺麗で、静けさと色彩が絶妙に絡み合ってくる。偶然と必然という両極のバランスも上手く描かれていたように思います。

 アルツハイマーというのは昔のことは思い出せても、最近のことが記憶できない。2年という年月は長いような気もするけど、元夫の姿が邪魔したんだろうなぁ。俺もどこかに足跡残したくなってきた・・・

kossy