劇場公開日 2018年3月24日

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「90年代、HIV患者のために戦った若者達の姿をヴィヴィッドに描いた名作」BPM ビート・パー・ミニット ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.090年代、HIV患者のために戦った若者達の姿をヴィヴィッドに描いた名作

2018年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

全く内容を知らないままに本作を観た。そして驚かされた。かつて『パリ20区、僕たちのクラス』で脚本と編集を担当したロバン・カンピヨによる監督作なのだが、かつて自身がメンバーの一人だったというACT UP(HIV感染者への差別や不当な扱いに抗議する団体)のミーティングは、まるで『パリ20区』で見られた学生達のやりとりのようにヴィヴィッドでテンポよく、その洗練された作りに一気に飲み込まれる。時に白熱する議論と、政府や製薬会社への息詰まるプロテスト場面とを織り交ぜ、その活動の波間で病状が悪化して亡くなっていく仲間への追慕も描かれる。

90年代のパリでHIVがいかに受け止められ、それに対し人々がどう団結したのか、その風を感じられることもさることながら、メンバー一人一人の横顔が実に印象深くて忘れがたい。とりわけ主人公ショーンの、徐々にやせ衰えていく身体、彼の生き様と心情を体現した俳優の演技が見事だ。

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牛津厚信