劇場公開日 2017年9月16日

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「欧州の抱える問題を背景に輝く眩しくてショッパイ思春期ロードムービー」50年後のボクたちは よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0欧州の抱える問題を背景に輝く眩しくてショッパイ思春期ロードムービー

2019年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

主人公は14歳のマイク。不動産業を営む父は事業に失敗、母はアルコール依存症。学校でもパッとしないマイクは、密かに思いを寄せているクラスメートのタチアナの誕生パーティにも呼ばれない。そんな折クラスに風変わりな少年チックが転校してくる。見るからに変わり者のチックはなぜかマイクに執拗につきまとい、ついには盗んだ車でマイクの家にやってきて、祖父が住むワラキアまで行こうと誘いに来る。渋々承諾したマイクはやることなすこと無軌道なチックにブンブン振り回されるが、様々なトラブルを乗り越え、様々な境遇で暮らす人達と巡り会いながら二人の旅はかけがえのないものになっていく。

監督は『女は二度決断する』のファティ・アキン。トルコ移民という自身の出自を『女は~』にも滲ませていましたが、本作でもマイクを振り回す変わり者チックが監督の分身かのよう。旅路で遭遇する様々なトラブルと出会いを経て友情を育む二人を温かく見守る視点が実に爽やか。原題は”チック”ですが、旅の途中で出会ったホームレスの女性イザと2人のエピソードに着想を得た秀逸な邦題も印象的。切ない恋バナもしっかり入っているので一級の思春期ロードムービーとして仕上がっています。

よね