劇場公開日 2018年11月23日

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「「それ」」イット・カムズ・アット・ナイト ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「それ」

2018年12月5日
iPhoneアプリから投稿

推し測るすべはなく、生命を脅かすかもしれないものは、夜の闇に紛れて膨らむ恐怖と同じだ。
ウィルは夜に現れ、行方不明の犬、スタンレーが病気に感染して、夜に帰って来る。
そして、アンドリューが祖父の部屋でうなされていたのも夜だ。
悪夢でうなされるように、自ずと夜への恐怖は増幅されていく。
だが、突然銃撃して来る二人の男と同様、疫病は必ずしも夜やって来るわけではない。
アンドリューは、子供が普通に感染する病気だったのではないか。
アンドリューの感染は、夜来る何かがもたらしたものではなく、火葬された祖父の部屋で偶然感染したのではないのか。
恐怖は猜疑心に変わり、そして、取り返しのつかない結果を招き、絶望へと繋がる。
そう、「それ」は、きっと絶望だ。推し測るすべもなく忍び寄り、突然頭を擡げるのだ。

ワンコ