劇場公開日 2018年2月3日

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THE PROMISE 君への誓いのレビュー・感想・評価

全25件中、21~25件目を表示

2.5悲恋

2018年2月4日
Androidアプリから投稿

悲しい

オスマン帝国のシルンという小さな村で育ったアルメニア人の青年が医学生として就学中のコンスタンチノープルでアルメニア人ジェノサイドに巻き込まれる話。

アルメニア人ジェノサイドを謳っているが、婚約者がいるのに彼氏がいる男とどうのこうのと恋愛ストーリーがかなり濃い。

又、戦時中の難民としてアルメニア人が労働させられたり追い立てられたり砲撃されたりは多々あるが、明らかな虐殺の描写は殆どない。

つまらなくはなかったけれどアルメニア人目線に片寄ってあるし、結局のところアメリカ人はヒーローだし、エンターテイメント感が強い戦時下の恋愛映画という感じ。

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Bacchus

5.0繰り返される民族紛争

2018年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

タイトルの「THE PROMISE」という意味には、
複雑な思いが込められていることがパンフレットで説明
されています。

映倫区分は「G」で、どなたでも観ることができます。
この映画を製作した人の意図は、アルメニア人虐殺の
凄惨さを一方的に伝えようとしたのではなく、民族紛争
の背景を伝えようとしたところが良いです。
だからこそ、多くの人々に観てほしいと思いました。
どうして民族紛争が起きるのかを考えてみてほしいです。
この映画のテーマは、なぜ、どのようにして、民族紛争が
起きるのかであり、いつでも、誰にでも、どこでも起こり
えるからです。
民族紛争は、予想もできないほど速く展開するため、
事前に意識していないと対応できないと思います。

アルメニア人虐殺の歴史的な事実の究明は進んでいませんが、
以下のことは事実です。
・1915年4月24日、イスタンブールでアルメニア系の
 著名人達が逮捕・追放され、虐殺が始まったこと
・欧米の記者達がオスマン帝国で起きていることを
 自国に伝えていたこと
・米国大使モーゲンソーとオスマン帝国の内務大臣
 タラート・パシャのやりとり
・モーセ山での戦闘
・フランス海軍のフルネ提督が3600人ものアルメニア人を
 救出したこと

ただ、第一次世界大戦についての知識は必要です。

1914年6月28日、ガヴリロ・プリンツィプが、セルビア王国のサラエヴォへの視察に
訪れていたオーストリア=ハンガリーの帝位継承者フランツ・フェルディナント大公
を暗殺しました。
1914年7月28日、オーストリア=ハンガリー帝国がセルビア王国に宣戦布告して
第一次世界大戦が始まりました。

連合国(ロシア帝国、フランス第三共和政、英国及びアイルランド連合王国、米国、日本)
と中央同盟国(ドイツ、オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国、ブルガリア王国)
に分かれて行われた戦争になりました。

ロシア帝国とオスマン帝国は敵対関係にあり、国境付近にはアルメニア人が住んでいました。
オスマン帝国は、ロシア帝国が国境付近に住んでいるアルメニア人を利用して、
侵攻してくると考えたようです。
オスマン帝国はイスラム教徒で、アルメニア人はキリスト教徒でした。
オスマン帝国にとってはアルメニア人は脅威であるという恐怖感を利用して、
オスマン帝国はアルメニア人を迫害し、虐殺したというようです。

1918年11月11日、連合国の勝利で終わりました。

同じようなことは繰り返され、民族紛争は続いています。

日本は、中国と尖閣諸島、韓国と竹島、ロシアと北方領土という課題もあり、
いつ民族紛争になるかもしれないという危機感を忘れてはいけません。

引用されるウィリアム・サローヤンの詩がこの映画を物語っています。

世界のいかなる権力が
この民族を消せるのだろう
すべての戦いに負け 組織は崩壊し
文学は読まれず 音楽は聴かれず 祈りは通じず
消し去れるか試してみよ
彼らが笑い 歌い 祈ることがなくなるかを
どこかで彼ら2人が出会えば
新たなアルメニアが生まれるのだ

この映画を製作した人の意図を知りたい人にはパンフレットの
購入をお勧めします。

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ノリック007

4.0絶対に見て損しない

2018年2月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

この映画があまり注目されていないのが信じられないです。
トルコ軍によるアルメニア人大量虐殺を描いていますが、内容はエンターテイメント性も高いです。

中々取り上げられない題材を、名優と共に多くの人に見られやすい形だ描いた監督に拍手。

第一次世界大戦とは比較的縁遠い日本だからこそ観る価値のある作品だと思います。

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ふなし

4.5見るべき作品です

2018年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

怖い

20世紀最初の大量虐殺。
アルメニア人の虐殺と難民の歴史は少しは知っていましたが、これほどの人が犠牲になっていたことは初めて知りました。
ナチスのように暴君がいたわけでもなく、ただ『自分と違う』というだけで、ある日突然隣人が友人が敵となり、国を挙げて行った虐殺。その苛烈さに涙が出ました。

物語は、主要3人の微妙な三角関係を中心に据えているため、割合重くなく、残虐な描写が苦手な人でも見れると思います。

厳しい時代に翻弄されても、伝えるため守るため生き抜こうと進む生きざまは誇らしく、ヒーローとはこういう人たちを言うのではないかと思いました。
歴史に名も残らなかったけれど、虐げられても必死に生き続けたアルメニアの英雄たちの一端を知り、なんで世界はこの歴史を隠匿していたのだろうと思いました。
アルメニア人に限らず、ロマ族、ユダヤ人、ロヒンギャ族など数々の差別と迫害は繰り返されて、、、今、私たちは一体何をしていたのでしょう?
多くの歴史を断片的といえど知りながら、何度も何度も争いを繰り返し、戦争は富を生む産業になり、、、なぜ過去を教訓として思いやりという優しい人間性をはぐくめないのか、とても残念で、悲しくなりました。
それでも、見てよかったと、見るべき作品だと、強く思います。

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ちいまめ

4.0虐殺への復讐は生きのびること

2018年1月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

1914年 第一次大戦下のオスマントルコ帝国で起きたアルメニア大虐殺を描く

と言われると、なんだか重たそうな気がするけれど
話の中心は、主演の3人
オスカー・アイザック、シャルロット・ルボン、クリスチャン・ベイルの三角関係にある

きっと誰もが経験のある恋愛感情を通して、主人公たちに共感し、それぞれのキャラクターに気持ちが入ったところで
話はトルコによるアルメニア人の虐殺へ移行していく

オスカー・アイザック演じるミカエルと、シャルロット・ルボン演じるアナはアルメニア人で、クリスチャン・ベール演じるクリスはアメリカ人ジャーナリスト

彼らはイスタンブールで出会うのだが、次第にアルメニア人が生きづらい状況になっていく
そこでクリスはアメリカへ戦況を伝えながら、ミカエルとアナを助けようとする…

私は、このアルメニア大虐殺の話を知らなかったので
全てが衝撃だったのだけど
なぜ、いつの時代も
「人種が違うから」
「宗教が違うから」
「思想が違うから」
という理由で、人を殺そうとするのか

いつになったら人は過去から学ぶことができるのか
と思った

罪のない人々を殺しても、何も得るものはない

家族を殺されたミカエルは
「トルコに復讐したい」
と言うが、それを聞いたアナは
「生き延びることが復讐なのよ」と言ってなだめる場面がある

私はそのセリフがこの映画の全てのように思う

絶滅したいと言って向かってくる敵に対して
心豊かに生きている姿を見せることが復讐になるのだ

向かってくる相手を殺しても
相手も、自分と同じように家族のいるただの一兵士に過ぎないのだから

終盤は号泣だった

監督は上映前に行われたトークイベントで
「未だにトルコでは認められていないアルメニア大虐殺を多くの人たちに知って欲しかった」
と言っていた

私も映画を観てそう思った

明るい未来を築くためにも、この時に起きたことを多くの人に知って学んで欲しい欲しい作品だった

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とえ