劇場公開日 2018年2月3日

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「虐殺への復讐は生きのびること」THE PROMISE 君への誓い とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0虐殺への復讐は生きのびること

2018年1月26日
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鑑賞方法:試写会

1914年 第一次大戦下のオスマントルコ帝国で起きたアルメニア大虐殺を描く

と言われると、なんだか重たそうな気がするけれど
話の中心は、主演の3人
オスカー・アイザック、シャルロット・ルボン、クリスチャン・ベイルの三角関係にある

きっと誰もが経験のある恋愛感情を通して、主人公たちに共感し、それぞれのキャラクターに気持ちが入ったところで
話はトルコによるアルメニア人の虐殺へ移行していく

オスカー・アイザック演じるミカエルと、シャルロット・ルボン演じるアナはアルメニア人で、クリスチャン・ベール演じるクリスはアメリカ人ジャーナリスト

彼らはイスタンブールで出会うのだが、次第にアルメニア人が生きづらい状況になっていく
そこでクリスはアメリカへ戦況を伝えながら、ミカエルとアナを助けようとする…

私は、このアルメニア大虐殺の話を知らなかったので
全てが衝撃だったのだけど
なぜ、いつの時代も
「人種が違うから」
「宗教が違うから」
「思想が違うから」
という理由で、人を殺そうとするのか

いつになったら人は過去から学ぶことができるのか
と思った

罪のない人々を殺しても、何も得るものはない

家族を殺されたミカエルは
「トルコに復讐したい」
と言うが、それを聞いたアナは
「生き延びることが復讐なのよ」と言ってなだめる場面がある

私はそのセリフがこの映画の全てのように思う

絶滅したいと言って向かってくる敵に対して
心豊かに生きている姿を見せることが復讐になるのだ

向かってくる相手を殺しても
相手も、自分と同じように家族のいるただの一兵士に過ぎないのだから

終盤は号泣だった

監督は上映前に行われたトークイベントで
「未だにトルコでは認められていないアルメニア大虐殺を多くの人たちに知って欲しかった」
と言っていた

私も映画を観てそう思った

明るい未来を築くためにも、この時に起きたことを多くの人に知って学んで欲しい欲しい作品だった

とえ