劇場公開日 2017年12月23日

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「哀切さがない」勝手にふるえてろ ニックルさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0哀切さがない

2020年3月16日
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寝られる

やたらキッチュなアパートとか、何故か主人公と仲が良い近隣住民たちとか。もう最初からこの映画はどこからどこまでが現実か曖昧な、こじらせ女子の幻想の世界。で、それの何が面白いの?という感じ。誰にでもあるこじらせであったとしても、その妄想を見せられる事が面白いとも思えないし、後半町の人たちが赤の他人だと分かった所でまぁそうだよねとしかならない。脳内をぶっ飛んだ面白さで活写するユーモアのセンスも感じない。美術や手法含めての世界観が10年古い感じがする。

誰とも関わりが持てない、好きだった相手に名前すら記憶されないというクラスターの女子の生態をリアリズムで描写した方が絶対面白いでしょと思ってしまう。甘いのはそんな女だけど勤めてる会社では自分の恋愛観を理解してくれるちゃんとした友達がいるという箇所もそうで、学生時代と社会人の間にこの女に特に変化があったわけでもなさそうなのに、そんなに上手くいくものか?と。

頭の中を映画にすれば面白いのか?逆にリアリズムだけを映画にすれば面白いのか?そんな事が自問されている感じがしない。他人の妄想に付き合わされるだけの映画。結末もどうしてこんなに甘くなるのか。会社も辞めて、男も去って、それでも何か新しく始まるとかでいい気がする。

ニックル