女神の見えざる手のレビュー・感想・評価
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凄い映画見つけた
政治と金と利権と銃規制、ロビイスト......
普通に作ったら十中八九、おそろしく退屈な映画が出来上がるところを、見事な脚本で鮮烈な映画に仕立てている。
勝つためには常に先手を打ち続け、表と裏で策略を仕掛けつつ、夜も眠らず、時には仲間をも信用せず、クライアントの為に闘う、やり手のロビイストをジェシカ・チャンスティンが演じる。これがまた似合っていて良い。
どんでん返し、と言ってしまえばそれまでだが、最後まで隠し持った一撃がもたらすカタストロフィの見事さ。一点に向かって突き進むスピード感のある演出も素晴らしい。監督は大御所ジョン・マッデンでした。さすがです。
愚民の感情を嘲笑う!
勝つためには手段を選ばない主人公。
銃乱射事件の生存者のスタッフを引っ張り出した時には、やりやがったな!と、胸糞悪さマックス。
が敵対陣営も糞なので、追い詰められいく姿に何故か応援したくなる。
なーんて愚民の感情を嘲笑うように、主人公は当たり前のように仕込んでましたよ。やりやがったな!チクショー!
降参です。
ま、結果的?により大きな問題に斬り込み、それは計算なのかは愚民には知る由もなく、
結局は勝つ為に手段を選ばない糞な主人公であるわけですが、利用したスタッフを命の危険に晒してしまった罪悪感は本物だと思いたいです。
とても良い作品でした。
銃規制法案を巡り、凄腕女性ロビーストが、規制反対派の圧力と組織力と戦うストーリー。
凄く良い映画でした。
まず主人公の女性が格好良いです。バタバタと切って捨てるような歯切れの良いトーク。実力に裏打ちされた自信に満ちた弁舌は、素直にすごいと思えます。
ただのスーパーウーマンではなく、売春夫(?)に逃避したり、自ら捨てた人生を思い描き、同僚を死の危険に合わせたことに苦しむ様は、彼女の人間としての魅力を高めていたように思えます。
時々、インサートされる聴聞会のシーン。現在と未来を交互に映す手法を、私は不得手に感じています。ラストシーンが想像出来てしまいますし、「現在」に集中出来ない、とも感じるからです。
でも、この映画がこの手法を取った意味は想像できます。
格好良く立ち居振舞う主人公。でも、インサートされた聴聞会のシーンは、このロビー活動の失敗を暗示していて、鑑賞者を重く暗い気持ちにさせます。
その気持ちがあったからこそ、最後のどんでん返しに、より大きなカタルシスを感じることが出来たのだと思います。
クライマックスシーンの夫々の表情が良いですね。彼女の弁護士、上司、商売敵、議員、仲たがいした仲間、そして主人公。全員無言で、それでいて表情がそれ以上に雄弁に言葉を発しているような・・・
出来れば、彼女がそこまでこのロビー活動にかけた理由を明示して欲しかった。そのチャレンジ性でしょうか?心身が限界だったので最後の仕事にしようと思ったのでしょうか?暗示はされていましたが、もう少しヒントが欲しいところです。それがあれば、捨て身の彼女の行動が、よりリアルに感じられたのではないでしょうか?
まあ、よかった、
話は難しくはあれど、ストーリーや展開はわかるし、登場人物の立ち位置や、人の気持ちの動き、実際の動きもわかって楽しめた。
心理的、法律的な絡みがあっても見てる側に不親切なややこしさとか複雑さもなくて、「あー、こうなるのかー」ってわかりやすかった。
んー、でも俺には1回見たら、もういいかな、ってかんじではあった。
激震
ジェシカ•チャステイン演じるエリザベスの裏の裏まで考え、相手を出し抜く策士ぶりに度肝を抜かれた。
米国のロビー活動もはじめは理解できなかったが徐々にわかりだし、最後はお互いの争いに見入ってしまった。
出だしの部分と最後がつながる作品の構成も素晴らしいと感じた。
見終わったあと、拍手したくなる映画であった。
肉を斬らせて…
やられた!
もうラストのどんでん返しが気持ちいいのなんのって。
こんなにもう1回見たいと思う作品もなかなか無い。
「相手が切り札を使ったら、こちらの切り札を出すこと。」
オープニングで語られる心得が、こんな風に見せられるとは…。
観たあと人に話したくなるけど、くれぐれもネタバレ厳禁。
最後の切り札が凄い!
『女神の見えざる手』鑑賞。
*主演*
ジェシカ・チャスティン
*感想*
銃規制強化法案ー
重いテーマで、社会派サスペンスはあまり見ませんが、これは面白い。状況が悪かろうが、勝つ為ならどんな手を使ってでも、エリザベス・スローンが仕掛け、政府に立ち向かいます。
銃規制強化法案の廃案を持ちかけられたが、即断り、そこから予想だにしない出来事が次々と巻き起こり、次の展開が気になり、がっつりと見入ってしまいました。
彼女の手腕はとにかく鋭く、常に尖ってて、同僚を利用したり、ありえないアイデアを次から次へと出してきて、凄かった。マーク・ストロングも仰天!勝つ為ならなんでもいいんだな。(笑)
話のテンポも良く、遊戯王じゃありませんが、最後の「切り札」に一杯食わされましたね~w彼女の卓越したアイデアが凄かった。。
もし日本版だと、米倉涼子が演じてそうww
ちょっと難しかったけど、これはある意味「どんでん返し」映画!
最初から最後まで無駄がなかったです!\(^^)/
宣誓の効力とプロフェッショナルの境界線
皆さま書かれているように、なかなか映画上映で観ることができず、やっと鑑賞できました
気持ち良い映画でした
手法はどうあれ、それぞれの立場のプロフェッショナルがぶつかり合い、自分の持つ能力を最大限に発揮する
良し悪しは別にして、こういう世界、自分とは縁遠いけど傍観するには刺激的で楽しかったです
人を物、道具として使える物はなんでもの彼女が、エスコートサービスの彼のプロフェッショナルさに救われたのが印象的でした
最後のどんでん返し、というか最初から仕込まれた手には納得、頷く、大満足
主人公の顎割れが、とても強い女性に見えて、ナイスでした
この映画上映時期は確か他の映画も女性の強さを描いてたなぁというイメージ
強い女性は世の中すでに珍しくないんだね
とにかく、気持ち良い映画でした!
【”戦略の天才”の冠を持つトップロビイストが銃社会アメリカに仕掛けた巧妙な戦略と息詰まる攻防に忘我の境地で見入った作品。ラストを含めて傑作であると思っている作品である。】
ー ラストのどんでん返しも含めて、二転三転四回転半するストーリー展開が素晴らしい。(脚本は今作が初脚本!というイギリスの元弁護士・ジョナサン・ペレラ。ビックリ!)ー
◆感想
・ジェシカ・チャスティン演じるエリザベス・スローンの眠らない(眠れない)トップ・ロビーイストの高速脳回転の様と、論理的かつ速射砲のような喋りが実に魅力的である。
・又、彼女の天才であるがゆえの孤独なアッパークラスの生活感のない生活に唯一潤いをもたらしている高級エスコートサービス、ジェイク・レイシー(ロバート・フォード)との関係性も魅力的。(後半、彼が法廷に立ち、エリザベスとの関係を問われるシーンは実に印象的である。)
・現代アメリカで重要な銃規制の賛成派、反対派の抗争を描くことで、全米ライフル協会がアメリカ政治に深く介入している事実をもあからさまに示唆する、重厚なノンストップ法廷サスペンス。
■ラストを含めて、傑作であると思っている作品である。
<2017年10月20日 今は無き、TOHOシネマズ名古屋ベイシティ劇場にて鑑賞>
既に4回も観ました!
余りに面白く、既に4回も観ました。
周りの目を気にせず、自身のミッションに徹する姿は、墨家集団の「義を為すは、毀(そしり)を避け誉(ほまれ)に就くに非(あら)ず」の思想とダブった。
エリザベススローンは、本当にカッコいい。
まだこれからも何度も見返すでしょうね。
出来る女
銃規制問題をテーマに圧力団体に揺れる民主主義の中で、出来る女が権謀術数を尽くして強大な力に対峙する。終盤に向けたカードの切り合い、応酬の末、肉を切らせて骨を断つ壮絶な着地をする。
しかし、出来る女の描き方がこれで良いのかは疑問。表裏比興、独断的。リーダーシップをはき違えたような行動の数々。明晰な頭に頼って機関銃に放たれる台詞、ソフトスキルが欠落している。特に逢瀬のくだりは、主人公が男であればかなりキツイ。単にとんがっているだけでは、メインストリームには残れない。出来る人物と出来る女の違いを作り手が意図しているならば、それは前時代的な表現としか言えない。
アメリカ映画の得意技
もはや一瞬たりとも見逃せない緻密なドラマ作りであるが、アメリカ映画の得意技2つを織り交ぜた非常にゴージャスな脚本であるのが嬉しい。
1つは、「法廷劇」であることだ。
法廷とか裁判というのは、シャークスピア時代の超古典から欧米の主流的演劇要素であるが、特にアメリカ映画では傑作を多く輩出している。本作も被告と裁判官のやり取りが非常にスリリングである。
もう一つは、「逆転劇」であることだ。
法廷劇の多くが逆転劇であるのだが、法廷でのそれと、ロビー活動でのそれを二転三転させる仕組みが新しいと思った。つまり、どちらが、あるいはどちら側が、より役者なのかとうところだ。
映画の構造は、後発の法廷劇をまずは提示させ、時間を過去にずらしたロビー活動とそれに伴うサスペンスとアクシデントを並行して提示し、やがてそれらを収束した形でラストへ持って行くやり方で、途中のヤマ場のアクシデントを機会にヒューマニズムを滲ませるという、極めて緻密なもの。
これには舌をまかざるを得ない。良かった。
信念を曲げない姿に感服
見事な展開。
最後はここまで辛辣な手段を使っておいて、一般的な正義論をとうとうと述べて負けるのか、とヤキモキしたが、さにあらず。あくまでもエリザベス流に敵の鼻をへし折った。
ロビイスト同士のTV討論。女性の欠点である感情論が暴走したのかと思いきや、実はそれも演技。
そして、なんと「右腕」は切り落とされていなかった。
引き抜いたシュミットも硬直する。この女、信頼できるが信用はできないとその目は語っていた。
しかしいくら勝つためとはいえ、自分の人生の五年を賭けられるだろうか(刑期短くなるにしても)?彼女がどんな生き方をしてきたかはもうどうでもよく、その胆力に脱帽するしかない。そして信念は絶対曲げない姿に、やり方はどうであれ私は尊敬の念を抱いた。
また、「銃規制」というテーマも興味深く、実際起きた事件の生存者も登場していることから、銃を取り巻くアメリカの動向や歴史を振り返る勉強にもなる。オバマやトランプなど、政権が変わるたびにその行方に注目が集まるテーマだし、学校での銃乱射事件などの報道があるたび、日本でも大きく扱われる案件である。
映画ファンのなかでは、あの名優チャールトン・ヘストンが「全米ライフル協会」の会長だったことが【ボウリング・フォー・コロンバイン】で印象に残っているのではないか。
劇中論争の争点になった「合衆国憲法の修正第2条」。
「A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed(規律ある民兵は自由な国家の安全保障にとって必要であるから、国民が武器を保持する権利は侵してはならない)」
日本の憲法第9条と同じく、非常に曖昧ですね。
劇中に話題にのぼった1993年に制定されたブレイディ拳銃管理法は、レーガン大統領暗殺未遂事件で半身不随となった大統領補佐官のジェームズ・ブレイディにちなむ。しかしこの法案は販売店に対する規制にすぎない。
全くもって個人的にはリズと同じように車と同じように、銃を全面的に登録制・許可制にすることの何が不合理なのかと思う。
正当防衛で銃が必要と敵陣営は言うが、実際の統計で銃犯罪は正当防衛に使われる30倍近く起きているという。
だが米批評サイト「Rotten tomatoes」では、低評価も多い。
映画ではエリザベスのおかげで法案は成立に傾いたが、このエリザベスのサイバネティックス・ゴキブリ作戦があまりに非現実的なのと、あまりに銃擁護派を悪役に仕立てているのが、その理由なのかもしれない。
本編の流れに全く関係ないが、エスコートサービスの男性を追い返した場面で、「時間を使わせた」ことに対してきっちり報酬を払う姿勢はさすが上に立つ人間だと思った。
日本人は従業員に対し拘束している時間に報酬を払うという概念が低いと思う。
ジェシカ・チャスティンは政治的な映画によく出演しますね。その頭脳明晰そうな美貌が今回もぴったり。脚本のジョナサン・ペレラは初執筆とは思えないスリリングな展開を描き、彼女にゴールデン・グローブ主演女優賞ノミネートをもたらしたのだから凄い。
強く、痛々しく、美しい
張り巡らされた伏線が綺麗に全て回収される展開が見事な脚本。俳優陣の演技が素晴らしい。銃規制というテーマの重さに沿ってしっかりとしたプロットが構成されている、製作陣の本気度が伝わる作品でした。見事です!
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