劇場公開日 2017年10月20日

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「ケーキとクッキー」女神の見えざる手 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ケーキとクッキー

2022年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 ヌテラ税とかパーム油とか、そんなことさえ知らずにパソコンで検索しながらの鑑賞となりました。最も驚いたのはロビイストの細かな作戦で、俳優まで動員してデモ行進させるなどしていたこと。これを信じちゃ日本でのデモなんてのも雇われた者ばかりというデマをも信じちゃうかなぁ。資金が少ないとか言ってたのに・・・

 比べてしまうのは日本の政治。映画の中では共和党、民主党の区別が感じられなく、ある法案に賛成票を投じるか反対票を投じるかの二択の政治家。日本だと、超党派の法案以外は政党ごとに賛否が決まってるので完璧な馴れ合い。ロビイストが介入する余地さえ無いように思われる。つまり日本では選挙の時点で勝敗が決まっているのだ・・・

 最も凄いと思ったエピソードは銃乱射事件の生存者でスローン(チャステイン)の指示でTVで銃規制派の論客として活躍した女性エズメ・マヌチャリアン(ググ・バサ=ロー)が正義の銃によって救われてしまったという皮肉。仕組まれた事件のような気もしたけど、それだけアメリカでは銃犯罪が多いってことか。

 信念のために働く女性はカッコ良すぎだが、真の民主主義とは何なのかも考えさせられ、結局は彼女に賛同する民衆が増えないとどうにもならない虚しさも痛感。また、移籍を拒んだジェーン(アリソン・ピル)の存在も最後にはじわじわとカッコ良く見えてくるのだ。そしてエスコートサービスの男性フォードも胸のすく思い。スローンが自分の人生を取り戻して生きてくれることを願うばかり・・・と。正直言って、ちょっと俺には難しい話だった。

kossy