劇場公開日 2018年5月25日

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「とても素敵な作品でした」犬ヶ島 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5とても素敵な作品でした

2018年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

ウェスの新作というだけで見逃すわけにはいきませんでした。
今回はストップモーションアニメなのですが、これがまたすごい。
スクリーンの端から端までびっしりと作り込んだ絵作り、目に飛び込んでくる鮮やかな色彩。
今回も最初からわくわくさせてくれます。
「鮮やかな」と書きましたが、前作「ブダペスト」のようなビビッドな世界ではなく、どちかというとダルトーン。
例えるなら大友克洋の「AKIRA」のような色味を感じました。
今作のポスターを大友氏にオファーしているため、少しそうしたイメージがあったのかもしれません。
ストップモーションなので何となくわかってはいたのですが、1分もすると尋常じゃない作業時間が容易に想像できます。
これ全部手作業かと思うと、うわー…となります。それくらい圧倒的。
そして声優陣がとんでもなく豪華。いわゆるウェス作品常連俳優のビルマーレイ、ジェフゴールドブラム、エドワードノートン、ハーベイカイテル、ティルダスウィントン、マーリー・エイブラハム等、日本からは渡辺謙、夏木マリやオノヨーコ(役名も同じ)までも。
使われる言語は英語と日本語でかなりチャンポンなのですが、これは完全に意図しての事だと思います。
ここら辺もオリエンタルで雑多な文化の日本を表現したかったのでしょう。
また二つの言語ですが、犬と人間の言語の隔たりにもうまく作用しています。
日本語には字幕が入らなかったりする(物語の進行に必要な部分は入ります)ので、日本人的にはさらに美味しいです。
そしてその作品は今回もとてもキュート。ウェスのディープさも含め、やっぱり絵本みたいなんですね。
心温まるとても素敵な作品でした。

白波