劇場公開日 2017年7月28日

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「もう少し工夫すれば面白くなるのでは?」ザ・マミー 呪われた砂漠の王女 アラカンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5もう少し工夫すれば面白くなるのでは?

2017年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

2D 字幕版を鑑賞。トム・クルーズはもう 55 歳になるらしいが,相変わらずスーパーヒーローを演じ続けている。今作では,実際に飛行機を急降下させて無重力状態を作り出して撮影するなど,アイデアとやる気は全く衰えていないようだ。

エジプトのミイラを題材にした映画は昔から多く,特に「ハムナプトラ」は印象深い作品であった。これまでの数々の映画化作品に対して,本作が何か新規性のあるものを提供したかと言うと,死の神セトが蘇るという設定くらいだが,ほとんど他の作品で見たようなシーンをかき集めたような映像ばかりであった。

脚本が何より酷かった。主人公のいい加減さを見せるために,軽い遊び相手として紹介した女性を映画の後半では命がけで救おうとするのだから呆れ果てた。その女性を主人公が命がけで救おうとするための理由付けが一切ないのである。元は違う話だったのを,主演俳優のゴリ押しで後で無理やり変更したのではという違和感が全開であった。

ミイラから蘇る女が,色々と特殊能力を持ってるのだが,全く説明もなく色々な技を繰り出すのには呆れたし,それが使えるならなぜもっと早く使わなかったんだという思いは,まるでウルトラマンのスペシウム光線を最初に見た時の思いが鮮やかに蘇ったような気がした。

冒頭に紹介される 12 世紀の十字軍の騎士たちも,どう考えてもミイラを封じ込めるために活動したのだったろうに,あっさりミイラ女の言いなりになってしまうのには首を傾げるしかなかった。

名優ラッセル・クロウをあんな役に付けたというのも何だかなぁであったし,全編半裸で登場するミイラ女があまり見続けたいと思えないようなヴィジュアルだったのにも落胆させられた。せめて「スペース・バンパイア」に出てきた宇宙人役のマチルダ・メイ級の女優さんでやってほしかった。

音楽はエジプト感満載で結構頑張っていたように思ったが,これまでのミイラ映画の音楽の焼き直しという感じしかしなかった。トム・クルーズのアクションシーンにのみ力を入れたような演出も何だかなぁという感じであった。
(映像5+脚本2+役者3+音楽4+演出3)×4= 68 点。

アラカン