劇場公開日 2018年9月7日

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「ちょいちょいイラつく」MEG ザ・モンスター alalaさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0ちょいちょいイラつく

2019年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

本レビューは、本編の内容に直接関わらない、物凄く些細なネタバレは含みます。読んでしまったからといって本編を楽しむのに全く問題はありません。

皆さんも書いている通り、アメリカ・中国合作です。自分は見始めるまで知らず、普通にアメリカ映画と思ってました。DVDで観賞。

始まってすぐ、日本の捕鯨に関する嫌味。やたらと出てくる中国自慢、極め付きはラストで黒人のおじさんが、ごくごく普通の中国人女性に手を振られて突然デレデレ。
主人公の2人は良いんですよ。きちんとアクシデントを協力して乗り越え、お互いを理解して恋愛に発展しています。
でも、人種を越えるレベルで美人ならともかく、全然知らないごく普通(主演女優より劣って見せるためか、普通というか…まぁ、本当にそこらにいる感じの女性です)のアジア人に黒人がデレデレすることなんてほとんどないでしょう。設定としてこのおじさんがアジア人も好きだというのが作品内で語られてるならともかく、差別云々以前に普通は他の人種の人達って、初対面じゃ見分けがつくかつかないか程度のもんだと思うので、物凄く違和感ありました。

捕鯨の話に関しては、もしかするとジョーズ3のオマージュなのかもしれませんが、ジョーズでは「何故あんなことを?」と作中で非難されています。もっと言えば、製作者側が「(捕鯨に関しての賛否は置いといても)捕鯨船だからといって攻撃するのは良くない」という立場を取っていることが、この台詞に表れています。
MEGでは捕鯨船を沈めてやったぜだか何かという台詞に対し、申し訳程度に呆れ顔して終わり。こういう所で考えが透けて見えるなと感じました。
実際ジョーズ3もたまたま最近見たのですが、上の台詞は特に気になりませんでした。MEGの時は正直不快に感じたので、調べて漸く中国と合作だと知りました。だからあの台詞入れたわけか、納得。一緒に見た家族も不快だとこぼしていたので、気にし過ぎということもなく結構あからさまだと思います。

ヒロインに中国人が起用されようが何とも思わないし、事前に調べてから観に行くタイプではないので、観た後で中国資本の映画だとわかっても、内容が面白ければ特に不快感を持ったりはしません(ていうか中国映画も普通に見ます)が、この映画はやはり中国ゴリ押しだったなと自分は感じました。
「中国が気に入らないから中国が出てくるだけで何でも気に障るだけだろ」と書いてる人がいたので、一応。

日本は外国の映画を入れる時、宣伝にお金をかけるかどうかでほぼ売れ行きが決まる気がします。
実際、最近日本に大々的に宣伝されて入ってくる映画は中国資本のものが増えました。増えたというか、アメリカ映画に擬態して(実質)中国の映画が入ってくることなんて今までありませんでしたが。
MEGはその良い例だと思います。観に行く人はかなり多かったようですし、公開前から宣伝しまくりでかなり話題になっていましたし、レンタル開始時もレンタルショップでかなり広告打って派手に宣伝してましたし。
実際、映画に全く興味のない家族が突然「見たい」と言い出したために、自分もレンタルショップで借りてきたクチです。
で、見たいと言ってた家族も、実際見たらやはり中国のゴリ押しと強く感じたらしく、途中で「大して面白くないし、中国ゴリ押ししつこいし、もういいや」と言われました(折角借りてきたのに…)。
もちろん家族も、内容が面白ければ中国映画でも気にしません。むしろ昔はキョンシーやブルース・リー等の中国映画よく見てて好きな方かと。

結局何だかんだ言いつつ最後まで見ましたが、見終わって少し経ったらもう内容が霞んでくるレベルのストーリーの薄さ。
最後に「ピピンーーー!!!」「ピピンーーー!!?」って騒いだことしか覚えてません(多分皆そこしか記憶に残らないし、そのピピンすら時間が経つと何のことか思い出せなくなると思う)。
CMで散々流してた、女の子の後ろからでっかいメガロドンが大口開けて寄ってくるあのシーンですが、正直大画面じゃないと一瞬「?」となるくらいには目立ちません。映画館ならヒエッと思ったのかもしれませんが、自宅で見るならよほど大画面かつ画質の良いTVじゃないと、「あれ、ここCMで見たシーンだから後ろにメガロドンいるはず」と思って目を凝らして見付けるレベルです。少なくともうちのちょっと古めのノートパソコンではそんな感じ。
しかも迫力があるシーンはそこだけ。他に緊迫するシーンはほとんどなく、メガロドンがそもそもあまり接触してこない。よく見えない。

ただ、ヒロインの娘役(CMでメガロドンの前にいる子)が良い味出してて、そこは良かったです。ていうかピピンと娘しか記憶に残ってない。

☆5つけてる人のレビューを読むと、ステイサム格好良いの、4DX初体験で迫力が凄かったのというレビューが多くて安心しました。つまりはその程度の内容です。
こんな内容でもステイサムが格好良ければ良いなら、MEGよりワイルド・スピードやトランスポーターを見た方が絶対に良いと思いますが。

さて、「中国作品っぽい」でも「中国の雰囲気が感じられる」でもなく、あくまで「中国ゴリ押し」と悪い印象に映ったのは何故でしょう。
個人的には、アメリカと合作にしたのはスタジオや技術、世界に対するネームバリューを借りたかっただけで、一緒に映画を作りたい、というわけではないのではないかと思ってしまいました。
見ていて一番思うのは、偏見もあると思いますが、「アメリカ映画らしさ」と「中国映画らしさ」がうまく融合されておらず、いつものアメリカ映画らしく撮ろうとして中国が口出ししたんだろうな、というような空気をヒシヒシと感じるシーンがたくさんあることです。
今調べたら、監督・脚本共にアメリカ人ですが、総指揮がアメリカ人と中国人1人ずつらしいので、やはりそうなのかも。
そのせいで上記のように感じられたのかなと自分では思っています。
もちろん合作なのだから多少口出ししてもおかしくはない、というかして当然だろうけど、恐らく、所謂「お国柄」の感覚を相手の国が理解できていない(このシーンを何故そういうオチにするのかわかっていない)まま、意見を押し通されて渋々それに従った…というような雰囲気を随所に感じます。圧力というか、「作らされた感」があるのです。
皆さんのレビューを拝見して、中国推し過ぎで嫌とか何とか書いてあるのは、中国人がやたら出てくるとか、舞台が中国ばかりとかそういうことではなく、そこら辺の不快感が関係しているのではないかと思います。

単純にアメリカ側が悪い、中国側が悪い、ではなく、相互理解をもっと深めてから撮影すれば、もっと良い物が撮れたのではないかなと残念でなりません。
実際、テーマは良かったかと思います。そして、こういったパニック映画の中では恐らく破格のお金を使っていると思うのです。
でも、中国映画の得意な「映像の綺麗さ」も中途半端、アメリカ映画の得意な「派手さ」も中途半端。かといって初代ジョーズのような緊迫感を煽るようなうまい仕掛けがあるわけでもない。
確かに皆さんステイサムが格好良かったと書かれている通り、ほとんどステイサムのアクション魂によって成り立っているところに、CGで装飾を加え、中国の感覚をぶち込んだという感じ(それはそれでステイサムが凄いですが)。

お金をかけてもこうなることがあるんだな、の典型的な例かもしれません。
あと、宣伝にお金をかければ内容がショボくても話題になるんだな、の典型的な例ともいえます。

そこそこ暇つぶしにはなりますが、腰を据えて見る映画ではありません。金の無駄。地上波でやったら見れば充分です。捕鯨船のシーン、カットされたりして。

つまらなかったと言う割にめちゃくちゃ語ってしまった。

alala