劇場公開日 2018年4月20日

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「邦画もここまできた!」いぬやしき おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5邦画もここまできた!

2018年5月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

原作未読ですが、TVアニメを見てこの作品に興味をもち、鑑賞してきました。アニメほどの感動はありませんでしたが、1クールもあった作品をうまく2時間にまとめ、これはこれでありだなという印象です。

ストーリーは単純で深みはないように見えますが、無気力で自分勝手な若者、無責任なネット上の発言、メディアの暴力的な取材、横暴な国家権力など、今の日本の問題点を突きつけられているようなシーンがいくつもあり、考えさせられる部分も多かったです。

そんな中、獅子神皓が、人としての情を残しながらも、大切な人を次々奪われ、人間を恨み、容赦ない殺戮を繰り広げていくことは、共感はできなくても理解はできます。そんな獅子神が闇に堕ちていくさまを、佐藤健くんが見事に演じ、恐怖を感じるほどでした。

また、木梨憲武さんも会社でも家庭でも居場所のない、悲哀に満ちたジジイなのに、誰よりも優しい心で家族にも他人にも、獅子神にさえも向き合おうとする姿が、とても印象的でした。

最大の見せ場は、いうまでもなく2人のバトルシーンなのですが、これが本当に迫力があってよかったです。CGもまったく見劣りせず、邦画でもこのレベルの作品が見られることを心からうれしく思います。

難点を言えば、布石がわかりやすすぎて、早々にオチが予想できてしまったことと、2人の身に起こったことの「答え」が与えられてなかったことでしょうか。

おじゃる