劇場公開日 2018年6月8日

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「よい出来でした」羊と鋼の森 CBさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5よい出来でした

2018年6月14日
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鑑賞方法:映画館

「森の映像」と「音」を視聴覚的につないで印象づけた映画作りの勝利だと思う。
原作を読んでいる際に、読者が頭の中で想像している心象風景を外に出した感じ。
森の明るさや色合いなどは読者それぞれだろうが、自分には割とあっていた。
原作のベースを貫く「落ち着き」。そしてそれを背景に、ちょうどピアノのハンマーが弦を叩くように起きるひとつひとつのエピソード、という対比も上手くいっていた。
さらに、そのエピソードを通して、調律師あるいはピアニストという職業への決意が、静かにかつしっかりと伝わってくる。「私は、ほんとうにこの職業が好きだ」という自覚。それは、腕を上げていく各段階で湧き上がるものだという点もまた、しっかり伝わってきた。

初めて挫折を経験した主人公に板鳥がかけた言葉「きっとここから始まるんですよ」は、観ているこちらの心に染み渡る。いいシーンだった。
一方で、それがほんとうに始まりに過ぎなかったことを示すエンディング。調律師のように "道" を進んでいく者たちは、いつでも次ステップのスタートラインに立っているんだなあ、と気づかされた。いや、俺たちもみな、実は同じなのかもしれない。みんな、いつでも、次のステップを歩き始めているのかもな。

山崎賢人はじめ鈴木亮平、三浦友和と、みな映画の基調になっている落ち着きを上手く演技していた。そして上白石萌音の美人でない点が、また絶妙にはまっていた。いい配役だったと思う。

不思議な爽快感と共に映画館を後にすることができた。

追伸
鈴木亮平のドラマーシーンは長くないけれどカッコいい。ファンの方は必見!

CB
CBさんのコメント
2022年9月16日

うわ、やっぱ、弾ける人の目(耳かな?)って、すごいですね。
経験していることが多いと、さまざまな映画を(経験していない人よりも)一段階深く観ることができて羨ましいな、と思います。ただ、俺は面倒くさがりで、あまりいろいろなことをやって来なかったので、今さらですが残念です(笑)

CB
琥珀糖さんのコメント
2022年9月15日

音を言葉にする文章力はCBさんの足元にも及びません(本心から
そう思います)
上白石姉妹の演奏するフォーム、姿勢、動き、躍動感、
超一流ピアニストそのものでした。
調律師さんとも知り合いでしたが、コンサートピアノを調律する方は、
エリート中のエリートだと思います。

「ラ・ラ・ランド」でライアン・ゴズリングがあの高度なジャズピアノを
実際に弾いたと聴きましたが、とても信じられないんですよ。
永野芽郁ちゃんが「そして、バトンは渡された」で弾いていたのは、
間違いないと思います。

琥珀糖
琥珀糖さんのコメント
2022年9月15日

コメントと共感をありがとうございます。
ピアノが好きで下手ですが、少し弾きます。
とても素敵な映画でしたね。

琥珀糖
CBさんのコメント
2020年10月9日

嬉しいこと言ってくださいますね

CB
アサシンⅡさんのコメント
2020年10月9日

コメントありがとうございました。全てに激しく同意する素晴らしいレビューに感激しました。

アサシンⅡ
しろくろぱんださんのコメント
2020年7月22日

コメントありがとうございます。
この映画はピアノの音色が音として伝わり感動します。山崎賢人の静かな演技がいいですね。

無駄な台詞が無いので演技で伝わるものがあります。

しろくろぱんだ
CBさんのコメント
2019年8月20日

コメント、嬉しいです。楽しんでください!

CB
きりんさんのコメント
2019年8月20日

原作、さっそく読んでみますね。CBさんのレビューでとっても興味が湧きました♪
ありがとうございます。

きりん