劇場公開日 2017年10月13日

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「お疲れ様、シーザー。」猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) みうらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5お疲れ様、シーザー。

2017年10月27日
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鑑賞方法:映画館

リブート第1作目から映画館で鑑賞してきましたが、気持ちいい終わり方だったと思います。

映画冒頭、人類視点から始まるエイプへの襲撃から、凄惨な殺戮シーンが続いて行きます。エイプたちはなすすべもなく殺されて行く。
そんな時、助けを求めたエイプとバトンタッチをするように現れたシーザー軍から続くエイプ側の視点で物語が紡がれると、「人間らしさ」とは何なのかという大きな問いを投げかけられている気がしました。

観る観客は人間ですが、共感をするのはきっとエイプ側だと思います。家族がいて、普通に暮らしたいだけなのに、人類が攻めて来る。そのために多くの犠牲を払って生活している。
そんな彼らの視点で続くストーリーは人間こそケダモノで、エイプこそ観客である人間に近い存在だと思うはずです。

人間らしさとは何なのか。少なくともこの映画において、人間らしかったのはエイプたちだと思います。

この物語は猿の惑星への一歩でもあり、同時に人間がケモノへと落ちて行く物語でもあります。言葉をなくしていく人々、そして狂気のように叫び大佐と鼓舞する人間、奴隷のようにエイプを使う。

2回の世界大戦を経験してなお、終わることのない戦争。果たして、今を生きる我々は本当に「人間」なのだろうか。
最後まで人間でいれたシーザーに労いをかけ、平和を願います。

みうら