劇場公開日 2017年4月22日

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「もっと磨いてほしかった」スウィート17モンスター うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5もっと磨いてほしかった

2022年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

かなり期待したものの、内容はありきたりで想像の範囲を一歩も出ません。

主演の女の子を子役として見れば天才みたいな評価もできるようですが、特に難しい演技をしているでもなし、きわどい表現で、自分を削っている事は認めますが、それと映画の面白さは別物ですから。

「THIS IS US 36歳これから」というドラマにハマったので比べてしまいますが、ファミリードラマ、特に10代の成長を描いたヒューマンコメディはたくさんありすぎて、何かにエッジを効かせないと埋もれてしまいます。

この映画では、女の子の性格と、周辺をていねいに、掘り下げて描いてあり、年が近いほど共感できるのかも。ただし、イタすぎて見てられないという意見もありそうですけど。

これほど周りを不快にさせる主人公も、なかなかいない、という意味では際立っているかもしれませんね。私がハマったドラマほどには、セリフも磨かれておらず、展開もチープですけど。

何しろ、人種、キャリア、出自、自尊心、生と死を残酷なほどフォーカスしたドラマに比べて、この映画にはティーンエイジャーの心の傷しか出てきませんから。

だったらもっとシンプルに短くまとまったはずなんですよね。キーラ・セジウィックの演技が健在だったのは拾い物でした。彼女もかなり身を削っていて、二の腕をプルプルさせたり、娘に恥ずかしい秘密をバラされたり、子供と心が通わないことに悩む母親像を赤裸々に演じていました。

映画としては面白味に欠けますが、国産の、チープなジュブナイル映画に比べれば、遥かにマシ。スキップしないで最後まで見られる映画ですけどね。日本の若手女優は「泣き」の演技さえできれば女優扱いされるとでも思っているんじゃないでしょうか。この映画を見て勉強してほしいです。こんな下ネタ満載の映画、事務所がOK出すはずありませんからね。それだけ主演の女の子は身を削っているし、予算がなくたって面白さは追求できるお手本です。

2018.1.22

うそつきカモメ