劇場公開日 2017年4月15日

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「青春の魅せ方が素直なラブストーリー」ReLIFE リライフ みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0青春の魅せ方が素直なラブストーリー

2023年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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幸せ

最近流行のSFっぽいラブストーリーだと予想していたが、ベタではあるが青春の魅力を素直に引き出した青春ラブストーリーだった。

本作の主人公はニートである27歳の若者海崎新太(中川大志)。彼は、会社で尊敬していた敏腕女性先輩が職場の醜い人間関係に巻き込まれて退職し事故死したことで、自分も退職して無職となり、悶々とした日々を過ごしていた。ある日、彼は、一年だけ青春時代やり直す社会復帰実験に誘われ、何気なく被験者になってしまう。17歳になった彼は、友達たちとの触れ合いを通して再生し、青春を謳歌していくが、次第に、1年という期限が迫ってくる・・・。

10年前に若返るという設定は、奇抜である。しかし、17歳に戻った彼の一年間は、恋愛、受験勉強、花火大会、文化祭、卒業旅行など、極めて有り触れた出来事ばかりである。しかし、その一つ一つが丁寧に描かれ、無理に話を大袈裟にせず、あくまで、等身大の青春群像劇になっているので、当時を思い出して、自分にもああいう時があったな、ああいう友達がいたなという感覚になる。素直に感情移入ができる。

二人の主人公が良い味を出している。頭は抜群に良いが人間関係は苦手な女子高生・日代千鶴役・平祐奈は、人を寄せ付けない鋭い眼差しが効いている。また、佇まい、笑い方、話し方で、人と接する時のぎこちなさを体現している。友達にはアドバイスが出来るが、自分のことになると奥手になってしまう新太役・中川大志は、オジサン臭い熱苦しさを好演している。彼らの不器用で直向きなラブストーリーは粗削りではあるが無限の輝きを秘めた宝石の原石のようであり、青春そのものである。一年という限定期間を考えて、告白を躊躇する新太の気持ちは、自分本位ではなく、相手を思いやる優しさに溢れたものであり、とても切なかった。

女性先輩を巡る、新太の社会人時代の厳しい現実は、働くことの厳しさを示すものである。しかし、働くことは、劇中の台詞にもあるように、“頑張ることを諦めない”気持ちで臨めば、決して辛いことばかりではない。達成感を十分味わえるものであることを、これから就職する若い人達には分っていただきたい。

実験を終えて、新太が選ぶ職業は納得のいくものだった。人との繋がりの大切さを知った新太が進むに相応しい道だった。本作は、ジェットコースターのようなストーリー展開はない。意外なラストもない。大感動、大号泣する作品ではない。しかし、青春の魅せ方が素直であり、等身大の青春に親近感が沸き、爽やかな余韻が残る良作である。

みかずき
2023年3月29日

治験と言う斬新な設定でしたが海崎っていい奴だなと思いました。中川大志さんが演じるとは思わなかったけど、実写映画も自分の学生時代を思い出しながら見て青春を感じる作品でした。レビューをありがとうございました❀

美紅
2023年3月29日

リライフを最初に知ったのは娘が読んでいたcomicoの漫画でした。

美紅
2023年3月29日

こんばんは☆みかずき様

美紅