劇場公開日 2017年7月15日

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「人並みに評価出来るわけではないが…飄々と日常に置きかえられるシナリオに唸る」ハローグッバイ たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5人並みに評価出来るわけではないが…飄々と日常に置きかえられるシナリオに唸る

2021年5月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

元々気になっていたものの、配信終了が決まったので駆け込みで視聴。傑作とまでは映らなかったものの、飄々と点を紡いで織りなすシナリオは心地よい。愛される理由が分かる。

萩原みのりにハズレなし、なんてツイッターで聞いたことがある。RISKYや佐々木、イン、マイマインの他、賭けグルイ双などの話題作に出続ける彼女は、どう憑依しても表情と雰囲気作りに長けている。今回はカースト上位の女の子だが心には穴が開いているような役どころ。そんな暇も見せないように繕いながら、スレスレで生きている雰囲気が上手い。一方の久保田紗友もハリのある演技でバランスが良かった。
作品としては少し短め。それでいながら、帰結する所を超えたラストまで描いていて、飄々と見せているのが凄い。この心地よさは睡魔を誘うのだが、起きたことが自然に感じられるようなスマートさがある。それはきっと、もたいまさこの卓越した佇まいあってこそだとは思う。今生きることは過去にどう写るか、なんて考えない。でも、それが不思議と分岐や大事な地点になっていたりする。そんなことをふと考えた。

実に邦画らしい、静を生かした優しい映画。駆け込みした甲斐があった。細やかに息づく空気が今は恋しいばかりだ。

たいよーさん。