劇場公開日 2017年7月1日

「期待以上におもしろかった!」忍びの国 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0期待以上におもしろかった!

2017年8月27日
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鑑賞方法:映画館

戦国時代の忍者をユーモラスに描いた、コメディタッチの作品かと思ったら、なかなかどうしてしっかりと見応えのある作品でした。銭を唯一の行動基準として、ユニークな忍術を見せる忍者は、戦国の世にあって一つの生き方だと感じます。そんな飄々とした生き方をしてきた一人の忍者が、周囲の人との交わりの中で、少しずつ変化していく様子がよく描かれていると思います。大野くんらしい演技が、これにピタリとハマって、見ていて気持ちいいです。

一方で、ともすれば軽く流れていきそうな本作に、伊勢谷友介さんがいい感じの重みを与えています。日置大膳が殿を殴って諌め、殿が泣きながら本音を語った後、日置が本心からお仕えしようと頭を下げるシーンは胸が熱くなりました。下山平兵衛を演じる鈴木亮平さんも確かな存在感を発揮し、最後のアクションシーンもすばらしかっです。

また、ストーリーもよく練られ、冒頭からテンポよく進み、数々の場面が無駄なく絡みあっていて、まったく飽きませんでした。そしてこれが、現代に生きる私たちへのメッセージも含んでいるあたりは、おみごととしかいえませんでした。おすすめです。

おじゃる