劇場公開日 2017年12月1日

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「大事なものを踏みにじられた」鋼の錬金術師 ゆかさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5大事なものを踏みにじられた

2017年12月3日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

寝られる

タダで見れる機会があり、0巻商法に乗せられて行きましたが、行かなきゃよかった

鋼の錬金術師は小学生のころ初めて買った漫画で、それから今まで擦り切れるほど読み返し、その度にその時々でグッと来る箇所がたくさんあるそんな漫画です。
学ぶところもあるし、考えさせられるところも多いっていうかほとんどがそう。

錬金術がテーマですが、内容は
復讐とはなんなのか、自分の欲望のために人が犠牲になるとしたらどうするか、何を持って人とするのか、 戦争が起きた理由とは…
などなど。いろんな問題に直面する登場人物たちが、色々な立場で悩みもがき苦しむ、重いものをたくさん背負って、それでも前に進んでいく、そういう話だと解釈をしております。

エドとアルが、錬金術という力を持っていながら、人間らしく少年らしく悩む姿に心を打たれ、
私だったらどうするか、どうしたいかなど読むたびに考えるそんな漫画で、私の心に非常に深く刻まれたものです。

多分原作ファンの方々も同じ考えの人が多いかと思います。
他の人にはたかが漫画かもしれないけど心に刻まれている大事なもの。
その大切さ、内容の素晴らしさを理解しない大人たちに、金儲けの道具に使われた。
その悲しさでこんなに批判が多いのだと思います、私もその1人です。

理解していないのは映画を見ればわかります。
愛があればこのキャラだったらこうする、といのが少しでもあるはず。それがまったく感じられない。ウィンリィもホークアイもそんなにバカじゃないかわいいだけじゃない!
ウィンリィが足手まといのうざいキャラなのが本当に辛かった。あんなに2人のために勉強熱心になるいい子なのに、あんなに弱みになるのが辛いって気にしてた子なのに。ひどいひどいひどい。
ホークアイ中尉だってあんなに覚悟を決めて戦っているのに、映画では意思もろとも弱くて辛かった。

原作と別物として、とおっしゃる方もいますが
名前を借りてる時点でそれは無理でしょう。それなら別物を作ればいいのですから。そうしてくれたらどんなによかったか。
ひたすらに悲しい、あれが鋼の錬金術師という名前で世に出ていることが。

それとわたしは漫画作品全てに批判的なわけではありません。今年あった銀魂や斎木くすおなんか原作も大好きですが面白かったです。あちらはギャグだから、とかではなく脚本、監督の力量そして原作へのリスペクトだと思っています。
大前提として、2時間に収まるようにエピソードを抜き取っていましたしね。

無理でしょうけど、0巻を映画と別に売り出してくれることを期待しています。それがなければこんな映画にお金を払う人が減る訳ですから。
原作ファンは過激すぎるという人もいるけど、見に行きたい訳じゃないんですよ。
原作ファンを利用する本当に汚い商法ですよ、畜生。このど三流。

ゆか