劇場公開日 2016年10月1日

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「白黒つけることが必ず必要か」国選弁護人ユン・ジンウォン せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0白黒つけることが必ず必要か

2020年10月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

難しい

再開発地区の暴動で警官が殺され、その容疑者が警官に息子を殺されたことを証明するために賠償請求10円の裁判を起こした話。
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この映画、韓国で実際に起きた事件。ということはこの裁判の先行きはなんとなく察しはつく。でも今回、事件の渦中にいた、殺された警官、容疑者、殺された容疑者の息子、その場に居合わせて事件を目撃した警官たちはどれも極悪人じゃない。
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警官が息子を殺してしまったのも、父親が警官を殺したのも色々なタイミングが悪かったとも言える。そもそも人って絶対に罪を侵さない真っ白な人なんていなくて、皆白でも黒でもないグレー。
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それを裁判で無理矢理白黒つけさせることの無意味さみたいなものをこの映画で感じた。グレーな人たちを完全に黒い司法が裁く。理不尽だねえ。

せつこん