劇場公開日 2017年9月9日

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「ダンケルク・スピリット‼️」ダンケルク 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ダンケルク・スピリット‼️

2023年9月10日
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この作品は21世紀に作られた最高の戦争叙事詩だと思います‼️監督は天才クリストファー・ノーラン監督‼️描かれるのは第二次世界大戦で史上最大の撤退作戦と呼ばれる「ダンケルクの戦い」‼️
降伏勧告のビラが兵士に降り注ぐオープニング。ドイツ軍の銃撃を受け、主人公トミーだけが走り逃げて広い海岸に出る鮮やかなシーン。海水に半分浸かりながら救助を待つ兵隊たち、その列に容赦なく浴びせられる爆撃。3機が編隊を組んで大空を滑空するスピットファイア。大海原を同胞の救出に向かう民間船。魚雷を受けて沈没する掃海艇と兵隊たちのパニック描写。重油まみれの海に浮かぶ無数の兵隊たち。夕陽に照らされながら不時着するスピットファイア。浜辺に散乱する無数のヘルメット。スピットファイアを燃やし捕虜となるパイロット、などなど‼️
とにかく一つ一つの構図とフレームが、練りに練られた印象的なモノで、加えて65mmフィルムで撮影されたらしい美しくリアルな映像と、凄まじい音響効果と視覚効果でもたらされる緊張感と臨場感はハンパないです‼️実際にドイツ軍の爆撃から逃げ回り、救助のため船を駆り、スピットファイアで敵機と交戦し、沈没する船で溺れちゃったような臨場感‼️これにノーラン監督一流の時間的サスペンスが加わります‼️これまでも「メメント」では逆行、「インセプション」では夢の階層ごとの時間経過、「インターステラー」では宇宙航行での時間的な歪みといった "時間" を重要な要素として取り入れてきたノーラン監督が究極のタイムスペクタクルとでもいいましょうか。描かれる陸海空の攻防の中で、陸:防波堤で救助を待つ兵隊たちの1週間、海:民間船で兵隊救助に向かう人々の1日、空:撤退作戦を支援するため飛び立つパイロットたちの1時間‼️この異なる3つの時間軸をシンクロさせて、3つの視点を切り替えながら描く手法‼️パイロットが見る民間船、民間船の船長が見るスピットファイア、民間船に救助される兵隊を援護するスピットファイア‼️それぞれの進行時間の中でそれぞれの視点から繰り返し描くその手法はまさに天才の仕事ですね‼️美しいシンセサイザーの音色に心洗われる音楽も、崇高的で格調高いと思います‼️この作品で描かれた事は "ダンケルク・スピリット" というイギリス人の誇りとして語り継がれているらしいのですが、ノーラン監督が素晴らしいのは連合国の勝利を描いた一方で、勝利は犠牲なしでは得られないことを明確に表現したことだと思います‼️救助された兵隊たちの一方で、担架で運ばれる兵隊たち‼️陸と海での救助作戦を援護、自らは燃料切れで敵方の捕虜となってしまうパイロット‼️カッコいいぞ、トム・ハーディ‼️まさしく名作ですね‼️
2023年9月10日現在、未だ上映日未定のクリストファー・ノーラン監督最新作「オッペンハイマー」‼️早く観たい‼️被◯国日本だけにいろいろな事情があると思いますが、配給会社の皆様の英断にチョー期待‼️

活動写真愛好家
琥珀糖さんのコメント
2023年9月10日

活動写真愛好家さんのレビューを拝読して、
私の見落としや勘違いが沢山見つかりました。
①トム・ハーディは敵地に降りた。
機体を燃やしてましたね。
②ハンス・ジマーの音楽はシンセサイザーだったんですか?
③陸の一週間・・・救助を待つ兵士の一週間。
勉強になりました。
ありがとうございます。

琥珀糖