劇場公開日 2017年6月17日

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「ガイ・リッチー的な3D"キング・アーサーBigins"」キング・アーサー Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ガイ・リッチー的な3D"キング・アーサーBigins"

2017年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

聖剣エクスカリバーによって、360度に取り囲まれた敵が一瞬にして砕け散る。このVFXを3Dで見ないなら、この映画の魅力の半分を失っている。

とはいえ、ディズニー超大作でない限り、2D/3D/4DX(MX4D)/IMAXといったマルチソース上映を楽しむことは困難で、本作を3Dで観ようとすると、自動的に4Dとのコンボになってしまう(涙)。4Dは監督の意図はないので蛇足だ。

歴史モノではあるが、"アーサー王"の存在は不確かで、1,000年以上前に数々の"伝説"が編み出された。これは いわゆる"スピンオフ"の走りであり、いまさらどんな話を作ろうとも、ビクともしない。

RPG(ロール・プレイング・ゲーム)でも、円卓の騎士やそのアイテムなどは頻繁に流用される。魔法使いマーリン、ランスロットや、トリスタンとイゾルデ、石に刺さった剣、キャメロット、エクスカリバー・・・そして本作は、独自の創作性をふんだんにつぎ込んだ、"キング・アーサーBigins"である。

中世ヨーロッパ伝説というだけで、「ロード・オブ・ザ・リングに類似してしまうのは仕方ない。

いきなりガイ・リッチー監督お得意の、ハイスピードカメラ収録からのストップモーション&スローモーションで、幼いアーサー少年が青年に成長していく。良くも悪くもガイ・リッチー化計画が、「シャーロック・ホームズ」(2010/2012)から「キング・アーサー」に移っただけである。あとは3D映像を手放しで楽しむだけ。

この手法で、日本の合戦(川中島とか桶狭間とか)を描写したら面白いかも。

(2017/6/17 /TOHOシネマズ六本木/シネスコ/字幕:林完治)

Naguy