劇場公開日 2016年10月8日

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「十代の危うさ」少女(2016) あいわたさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5十代の危うさ

2016年10月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

を表現した良作でした。(自分が男だからか、共感まではなかった。その辺は女性の意見を聞きたい。)
本田翼も山本美月もルックス的に女子高生はかなり無理があったが、闇を抱える役が適役だった。校閲ガールといい、安堂ロイドの頃はザ・大根だった本田翼の演技力が徐々に増してきていると感じる。
一部登場人物のクソっぷりが相変わらず湊かなえさんらしい。著者の周りにはそんなに悪い人がいるのだろうか。単なるハッピーエンドで終わらせず、嫌なラストを持ってくるところも彼女らしい。
人の善と悪の両方を描くところは宮部みゆきさんと似ているが方向性は違う。悪意に立ち向かう暖かい善意・正義感を描き切る宮部みゆきも良いが、ほんの僅かだが確かな善を拠り所として圧倒的な悪意の中を強かに生きていく、そんな湊かなえ作品の方が自分は好きだ。
原作者に関する分析に終始してしまったが、そんな湊かなえさんらしさを上手く表現した映画だった。

あいわた