劇場公開日 2016年3月26日

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「旧1号リアルタイム視聴世代にとっては外すことが出来なかった作品」仮面ライダー1号 アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0旧1号リアルタイム視聴世代にとっては外すことが出来なかった作品

2023年10月14日
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鑑賞方法:映画館

完全に藤岡弘さん主演映画としての『仮面ライダー』が制作されるということを知った時、正直、驚きとともに、大いなる期待をもって完成を心待ちにした。

作品内容(ストーリー)的には賛否が分かれるところだとは思ったが、そんなことよりも藤岡弘氏の『仮面ライダー』対する思いや、45年前の出世作と同じ主人公役を今演じるというその凄さは、そんなことを遥かに凌駕しており、問題にならなかった。

藤岡弘氏も、仮面ライダー終了以降には子供番組からは遠ざかり(あえて距離を置き?)、大人向けのハードな内容(汚れ役等も)のアクション系のドラマを中心とした方向に、活躍の場を移されていた時期は長かったということが思いだされる。

そして、このタイミングで氏がこの役を再び演じるということには、御本人の思うところが有ってのことであり、それが親子や家族の絆が中心的に取り上げられていると感じられるストーリーに現れていたことは間違いなく、そうした思いに、劇場鑑賞時に感動を覚えた。

またこの作品と同様に、ご本人自身の『仮面ライダー』愛が、一時期NHKBSで放送されていた”オリジナル歌手による歌唱”をが原則だった、アニメ・特撮主題歌をLiveで正に”オリジナル歌手による歌唱”としてこの『仮面ライダー』主題歌の素晴らしい唄を、数十年の時を経て堂々とステージで披露してくださったときの感動として、今でも忘れられることは出来ない。

そうした、感動や喜びが、自身の(リアル)世代によることが大きいという指摘があるなら、その事は全く持って否定することは出来ず、むしろ、だからこそであるとそれを誇りを持っているくらいだから。

仮面ライダー1号関連作としては、現時点で最新の庵野秀明氏脚本・監督による『シン・仮面ライダー』があり、自分とほぼ同世代の庵野氏の思いが伝わってくるようで、これもまた染みたが、実際に同氏や私のように、『旧1号』の”本放送時に第一話から観ていた人”は意外に多くはなく、その殆どが『2号ライダー編』になり人気が上昇してきた”変身ブームの”タイミングからでありその違いこそが、思い入れの凄さの違いに表れるところである。

何故かというその理由としてはっきりと挙げられるのが、当時の1971年4月からの新番組の編成時期に登場した多くの番組の中でも、東京、大阪等の首都圏ネット局の土曜日7時30分からのこの番組の同時刻の所謂”裏番組”にその理由があるからである。

『仮面ライダー』は当時制作元の大阪「毎日放送」とネット局だった関東の「NET」などが放送を行っていたが、同時刻のウラでは関東の「日本テレビ」制作で大阪「よみうりテレビ」ネット局で放送されていた戦記物の『アニメンタリー 決断』という強力な、”竜の子プロダクション制作のテレビアニメ”が1971年4月3日という全く同じ開始日から放送になっていたからだ。
全く同じ日に開始されたことで、当時の一般家庭において複数台のTV所有は殆ど考えられず、ビデオなど夢の様な世界のお話という時代であって「比較不可能」なため、事前に二者択一を求められ、一度選んだら余程のことがない限り、途中変更はありえないからである。

実際に、残念ながら自身の通っていた小学校では、(男子の)その殆どは『アニメンタリー 決断』派だった。
『仮面ライダー』視聴者は私を含め、元々が特撮好きとか、「石森章太郎」好きだったりするような、一部の人だけだった。
(勝手な想像だが、恐らく庵野氏もコッチ側の人間だったんだろうと想像する。)

その潮目が変わったのが、『アニメンタリー 決断』が同年の9月25日には放送を終了して、同時間枠が男子向けではない『さぼてんとマシュマロ』という沖雅也&吉沢京子主演のドラマ系に変更になったことと、その少し前の7月より『2号ライダー編』に変わったことから、その後の「仮面ライダー(変身)ブーム」へと一気に突入していくことになる。

藤岡弘氏関連では、'80年代に「ハリウッド進出」と一部で話題に登ったものの、結局日本劇場未公開にスルーされ、忘れられてしまった『SF ソード・キル』という、氏のファンであるなら忘れることの出来ない「初のハリウッド映画出演」作品が有った。
どうしても観たかった私などは、初期には字幕無しで海外版ビデオで、後年レンタルビデオ時代に入ってから登場した字幕付き版で鑑賞を遂げた思い出がある。

殆ど主演に近い扱いでの、当時の(日本を活躍拠点にしている)日本人俳優にとっての本格的なハリウッド映画進出だったと記憶する。

アンディ・ロビンソン