さざなみのレビュー・感想・評価
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ざわつき
もう居ない女なんだから。
とっくに過ぎた出来事なんだから。
そう、怒り狂うほどのエネルギーもなく、また、相手を再び信頼できるほど若くもない。
心のざわつきは、小さな波。小さな波だからこそ、永遠に心の中で止まることはない。
男女の違いを感じた
コソコソと元彼女の思い出に浸る旦那、、腹がたつよなぁ。今までと違う行動を起こし始め、旦那はバレてないと思ってるのか罪悪感がないだけなのか、でも女性はそういうの気になる。
45年の結婚生活。自分のことを本当に愛していなかったのではないか。自分は元彼女の代わりだったのでは?
写真はあまり撮らないはずの旦那が隠し持っていた昔の写真。写真の中には、お腹の大きい女性の姿が。自分との間にはできなかった子供、、、、。夜な夜な起きて見ていたのはコレだったのか、、、。
そんな決定的なものを見てしまったら、女性からするともう元の関係には戻れないのかもしれない。
その、元彼女がもしその時死んでいなくて生きていたら、結婚してた?という質問に、はっきりYESという旦那。想像の話をしても仕方ないとか、そういう問題じゃない。そんな大したことないというのなら、嘘でもNOと言うべきだった。女はいつまでも女なんだから。
演技はするし何もなかったように生活していくけど、元彼女に対しての嫉妬は永遠に消えないと思う。
ラストシーンのダンスが終わってからの妻の表情を見て思った。もう触られたくもない。旦那の感動の手紙やダンスでさえも、逆にシラけるというか悲しい気持ちになる。なに、ニヤニヤ踊ってんのよ、と腹も立ってくる。本当なら嬉しくて愛を感じるはずなのに、、、。もう元には戻れない。
女優さんの表情が素晴らしく、リアルで伝わる演技だった。
自分が50代になってから、また見てみたい。
普遍の問題
老夫婦のコミュケーション問題を
Dailyで描写したものなので、
とても静かで淡々と進むけど、
提示している問題は、
年齢に関係無く 若者も、誰しも抱えているいるものだった、当然 我が家でも
問題の最大発露となるケイトの心の揺れを
シャーロット・ランプリングが見事に演じ切っていた、かなり効いてて問題を自分事にし易い
解決策の最適解は、一つしかない!と感じながら ストーリーを追っていたら
ラストのジェフのスピーチにそれが用意されていて
一気に溜飲が下がった、そうだよね!!と
本作は「7つの習慣」を思いっきり想起させる
。
読み返すことは少なくなったけど、やはり 本質的で大切、また読もう
夫婦再生不可能?‼
不可能だと思います、再生は。
妻にとったらこれ以上にない裏切り行為を45年間もされ続けてたと感じるけど、もしかしたら夫にしてみたら、妻が感じる程も罪悪感は無かったのではないか。。
年齢を重ねると昔のことが美化され、思い出をなぞることが平穏な生活のひとときの楽しみになるのだろう。けれど、それが例えば趣味の園芸なり陶芸なりに没頭するならともかく、元彼のこととなったら、そら妻としたら許せない。わかります‼
そこが男性と女性の違いなのかも。。
静かに流れる何気ないストーリーの中で、ここまで表現できる俳優さんたちはやはりすごい‼
長年連れ添ってきた熟年夫婦。子供はいないが夫婦仲は良く、郊外で慎ま...
長年連れ添ってきた熟年夫婦。子供はいないが夫婦仲は良く、郊外で慎ましやかに暮らしている。近く結婚45周年のパーティーを開催する予定だ。
ある日、夫の元に届いた一通の手紙をきっかけに、長い歳月をかけて培われた夫婦の絆が脆くも崩れ去っていく。昔のオンナの亡霊に囚われ、夫への不信感を募らせていく妻の表情に注目して観て欲しい。
それにしても邦題の「さざなみ」(原題:45years)とは巧く付けたものだ。最初はほんの小さな波だったものが徐々に積み重なり、やがて大きな波紋となって妻の心をザワつかせていく。
終盤、自らのスピーチで感極まって涙ぐむ夫に対し、浮かない表情を見せる妻との温度差がとても印象的だった。
良かった‼
イギリス大好き、シャーロットランブリング大好きなら分かる嬉しさ。考えさせられら話の中、男のわがままが分かるだけに辛い。シャーロットランブリングの演技はさすがだ。そうして、パーティーのなかでの男の空虚な挨拶が白々しい。と、思ったらやはり。。。
心の波がざわざわと・・・
結婚45年の夫婦に 夫の昔の恋人の遺体が見つかったと
彼のもとに手紙が届く
夫は恋人の思いに浸り始め 妻の心はざわめき始める
2人の夫婦の表情や台詞から2人の夫婦を描いていて
観ている私の心もざわめき始める
彼女はこの世にはいないのに昔の恋人の亡霊に怯える?嫉妬する
妻をシャーロット・ランプリングが良かった!!
ラストのシーンはえ!と思いましたが・・・
見損ねていたので レンタルして観ました
最近はすぐにDVD化してくれるので とても嬉しいです
毎秒3メートル赦しの行方
どんより雲が垂れ込めるイギリスの片田舎。四十五年連れ添う老夫婦。氷山のクレバスに落ち若くして死んだ夫の前の彼女の遺体発見の報せを機に歯車が狂い始める夫婦関係。愛と憎しみ、過去と未来、赦しと拒み。妻が屋根裏部屋で夫が撮影した前の彼女の写真を映写機で観るシーンが印象的だった。ラストシーンもまた凄かった。言葉の少ない映画にあって、喋らない演技で魅せてくれたシャーロット・ランプリングが本当に素晴らしい。そして邦題「さざなみ」は原題よりも数十倍良い。
憎めない作品
シリアスな、寡黙なタッチで描かれているけれど、ただテーマは至ってシンプル。
私は女ですが、夫に同情しながら見ていました。そして妻については、まるで「私みたい…」と苦笑。結婚45年の絆に対する理想と、45年以来の嫉妬心で動揺するという、なんともかわいく面倒な女心。
途中、正直眠くなりましたが、ラストのキレキレなカットに「えっ!」と声を出してしまいました。よくよく思い馳せればこれも大円団。男性に言いたい、大丈夫、彼女の場合、これは今に始まったことではなかろうし、これからも続く。しかし愛があるからだいじょうVだと。
あまりパートナーに恋愛的執着心がなく、結婚の継続に理想をもっていない母(今年結婚41年)はいびきをかいて寝ていました。
※追記、後日見直した母は妻に共感し夫に対して激怒していた様子。笑
共感、という意味では好みが分かれそうだけど、画は綺麗だなと感じました。派手ではないけど、面白い映画でした。
小波のように、津波の如く
表面上は小波のように、内の感情は激しい津波の如く。
突然届いた手紙は、夫の昔の恋人が雪山の中から発見されたという知らせ。
以来夫は死んだかつての恋人に思いを馳せ、妻は…。
うつつを抜かす夫と、嫉妬する妻。
これが若い夫婦だったら犬も食わぬ痴話喧嘩だが、結婚45年を迎えた夫婦となると訳が違う。
後は穏やかに共に余生を過ごすだけ…当たり前のようにそう思ってたのに、じわじわ沸き上がる不信。
それが決定的となる、夫のある告白。「生きていたら彼女と結婚していた?」「ああ」…。
夫は45年、ずっと私の中に失われた彼女を見ていたのだろうか。
この45年間の愛は本物だったのだろうか。
この45年は何だったのだろうか。
考えれば考えるほど、夫との距離が遠退いていく気がする…。
映画史に残る数々の名作で、映画史に残る数々の名演を魅せてきたシャーロット・ランプリングに、新たな、そして最上の一作が誕生。
佇まい、眼差しは言うまでもなく、熟女や美魔女なんて言葉が愚かになるくらいの歳を重ねた女の美しさ、スキニージーンズをスラリと着こなすスタイルのカッコよさに圧倒される。
彼女と比べると、グッと枯れたトム・コートネイ。それが幻影を追い求める姿を、何処か哀しく味わい深く体現する。
この夫婦の愛は本物だろう。
しかし、45年のパーティーで皆から祝福された中、妻が一瞬見せた表情と、振り払った手。
夫と離婚はしないだろう。
が、夫の中にはこれから死ぬまでずっとかつての恋人が居続ける。
妻は夫を見る度、その彼女の幻影をも見続ける。
何故妻は、夫の死んだ恋人に囚われ続けるのか。
何故夫は、幻影の恋人に思いを馳せたのか。
明確な答えなど無いだろう。
人によって受け止め方も違うだろう。
分からなくてもいい。
それが45年の重み、男と女の営み。
これが長編三作目、四十代の監督の為せる業か!
女心と秋の空・・
結婚45周年記念パーティを控えた妻の微妙な心の揺れを描いた作品。女心は灰になるまで秋の空だ。何年経っても消えることはない。映画の最後のパーティでの妻の複雑な表情は・・2015年のイギリス映画。
今年一番の収穫
素晴らしい映画だった。何回か見た。書きたいことが沢山ありすぎてまとまらない。
結婚45周年パーティーが週末に控えている老夫婦。夫の昔の恋人(遭難して行方不明)の遺体がみつかったという手紙が届く。浮き彫りになる夫婦の心情の変化、その一週間を描く。
1回目見た時は、流石のシャーロット・ランプリングに唸らされた。バックミラー越しの表情とか特に。ラストシーンも素晴らしい。
一見するとごく普通の日常的な出来事を追ってるだけの映画で、ギャーギャー泣いたり喚いたりもしない。心情を説明するセリフも殆どない。それなのに、ガクンガクンと変化していく妻の心の内が痛いほど伝わってくる。
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2回目見た時は、演出力に魅せられた。
妻は、元恋人の映っているスライドを見つけ彼女が妊娠していたことを知る。湖の前でお腹をさすっている元恋人。そのシーンがものすごく印象的で。スライドが映った白い布がフワフワと風に揺れて、元恋人がまるで動き出したように見える。ハッとしたところで、気付くか気付かないかくらいの微かなさざなみの音が入る。ただのスライドなんだけれども、まるで元恋人がまだ生きているかのような臨場感。夫の心の中で彼女はずっと生き続けていることを、妻が実感するシーン。ちょっとホラーかと感じるくらい怖かった。
妻が寝付けなくて、夜中一人で、スライドが置いてある屋根裏に手を伸ばすシーン。そこでも微かに風が吹いて後ろのドアが締まりかける。元恋人が立っていた湖から風が吹いているようで、このシーンも怖い。
実際、夫は、45年間、元恋人基準で様々なことを選択してきた。結婚式で流した曲(彼女は行ってしまって僕は独りという歌詞)、好きな著者(結婚したら後悔するだろうという言葉を残したキルケゴール)、旅行先(元恋人が亡くなった地形と似た所)、犬を飼うこと(夫婦間には出来なかった子どもの代わりに)。様々な選択の場において、元恋人との日々がちらついている。
夫は元恋人のことを「僕のチャズ」と呼び、「お前に彼女の何が判る?」と妻に静かに問う。
それを知った上で、妻は夫に言う、「明日の45周年パーティーには出てよね」と。
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3回目見た時は、夫役を演じたトム・コートネイが凄いと思った。
昔の恋人をずっと想っているセンチメンタルな男…ただ、それだけだったら、案外妻も許せたんじゃないかと。自分のことは愛していなくても、長年連れ添った同士として日々の小さなことに喜びを見つけながら一緒にやっていこう、そう思えたのではないかと。
でも、それだけではなくて。
パーティーで、夫は涙ながらに妻への感謝をスピーチする。そして、その後、おどけたように妻とダンスする。絵に描いたような幸せな老夫婦を完璧に演じてみせる。
もうこれは、妻への挑戦でもあるんだなあと。「お前が望んでいるのは、こういう絵に描いたような世俗的な表面的な幸せだろう、それに合わせてこの45年間ずっと自分を偽ってきたんだ。俺と彼女の間には、そういう表面的な関係じゃなくて真の結びつきがあったんだ、お前には一生判らないだろうけども」
夫の表情は至極穏やかだけれども、妻への侮蔑がヒシヒシと伝わってくる。45年間気付かなかった妻への冷笑。元恋人とだったら目的のある輝いた人生だったかもしれないのに、世俗的な一般的なところに落ち着いてしまった自分自身への激しい絶望もある。この夫は、自分の特異性や後悔だけに夢中で、それに対して傷ついた妻の心の変化には何ひとつ気付いていない。気付いているのかもしれないが、妻の気持ちなんて、最早どうでもいいと思っている。お互い人生引き返せないんだし、しょうがないと思っている。ただのセンチメンタルな男ではなくて、身勝手で冷酷なナルシストだ。(その抑えた知的な冷たさ、コートネイが非常に巧い。)
だから、最後、妻は夫の手を払う。
シニカルなラストだけれども。人間性を否定され続けた妻が、自分を取り戻した瞬間でもあったんだなと。夫が抱える虚無の淵を払いのける。大変、印象に残るラストだった。
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追記:
俳優陣の素晴らしさもさることながら、アンドリュー・ヘイ監督の緻密かつ自然な構成・演出に魅せられた。日本では劇場公開一作目。なんという人が出てきたんだという驚き。是非、この監督の他の作品も見てみたいと強く思った。
先日、監督の『ウィークエンド』(2011年製作、日本劇場未公開)がPFFで特別上映されるというので見にいった。『ウィークエンド』も素晴らしくて、思わず涙。『さざなみ』とは全く違うシチュエーションながら、緻密に着実に誠実に人物に迫る撮り方は同じ。『さざなみ』の上手さは、まぐれではなかったんだなあと改めて納得。アンドリュー・ヘイという監督を知れたことが、今年一番の収穫だったと思う。
世の男どもよ、女を甘くみるなよ。捨てられるのはお前だぞ。
結婚45周年パーティーを週末に控えた老夫婦のもとに、夫の昔の恋人の遺体発見の報がとどく。
妻は、「昔のことよ」と気にも留めなかったのだが、次第次第に明るみになっていく、夫の気持ちと秘めた過去。それが知らず知らずに、夫婦関係の崩壊へと傾いていくのだ。間抜けなことに、そのことを当の夫が気づいていないのだから怖いとしか言えない。
かつては魅力的な大人の意見に思えたジェフの政治や同僚についての批判も、なんだかただの負け犬の遠吠えのも聞こえるてくるし、結婚「45」周年記念パーティーでの涙のスピーチも、しらじらしく聞こえてくる。何事もなければ、そんなジェフのスピーチにケイトは感動し涙したのだろう。それまで堪えに堪えていた感情に、ジェフに対する腹立たしさも重なり、ダンスをしても作り笑顔を維持できない。こんな男を私は45年も惚れていたのか。そんなもろもろの感情が極まった瞬間に、あの激しい仕草へとなるのだ。ジェフは、なんでケイトが怒っているのか分からないだろうな。
パーティーのあと、ケイトは何も告げずに離婚を切り出すのだろう。そして周りの知人は、「あの夫婦、あんな楽しそうに45周年パーティーをしたばかりだというのに、世の中わからないことってあるものね」と囁きあうのだ。ケイトの気持ちを微塵も知りもしないくせに。(パーティーのあとのことは僕の妄想です。こういう妄想をさせることが監督の意図なのでしょう)
邦題のようにさざ波のように押し寄せてくる不安と疑念が、妻の感情を穏やかざるものへと変えていく様は、冷めた狂気の感すらあった。
妻を演じるのはシャーロット・ランプリング。失礼ながら、ここ数年映画にはまりだした僕には、未知の方。どうやらかつての名優だという。たしかにその評価に違わぬ名演ぶりに、背筋がひやりとした。
まだ、ひやりとする気付きがあるだけ、自分には救いがあるのだろうか、どうか。
人間という生き物の、消せない業の深さ。
♪男と女の間には~深くて暗い~川がある~
と、野坂昭如の歌声が頭に浮かんで消えなくなる一本。
そして。
♪誰も渡れぬ~川なれど~エンヤコラ今夜も舟を出す~
その先にある行く末を、主演のシャーロット・ランプリングとトム・コートネイの二人によって見せ付けられる、なんとも言えずに唇をかむような歯がゆさ。
二人の演技が文句なしに素晴らしいが故に、生々しく迫る「突きつけられる刃先の丸くなった刃の不快感」。
映画としては素晴らしい、けれど人にはお勧めし難いこの不穏な空気。
共に過ごした時間をどれだけ積み重ねようと、たった一つ投げ込まれた石で泡の様に一瞬で消え去る、消し去ることのできる人間という生き物の危うさ…
ラストの、あの男から見たら恐怖でしかない演出、そして気づかぬ阿呆といったら…
嗚呼、なんとも自分好みの「意地悪映画」なんだ、コレ!涙
絶望度は「偽りなき者」には及ばないけれど、軽く人間嫌いになりたいときにはお勧めしたい一本。
男と女とは、どこまで行っても「同一ながら別種の生き物」なんだよ…
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