劇場公開日 2016年8月26日

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「大人になる とは」君の名は。 セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大人になる とは

2021年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

どうして〇〇にこんなに惹かれるのだろう? 子供の頃、なぜか〇〇にハマってた時期があったよな・・・誰にでもこんな風に思う経験があると思います。それは、もしかしたら、誰しもが(記憶に残っていないだけで)誰かと入れ替わり、歴史を塗り替えているという事なのか?!と、いい大人の自分が本気でそんな事を考えてみたりして一人で勝手にワクワクしてしまうような映画でした。

公開時、超話題となったこの映画。私も気になってはいたのですが、内容を全く知らないままだったので、このGWの機会に観る事としました。あれだけ世間が熱狂した映画。どんな内容なのだろうと興味津々でした。面白かったですが、そこまで熱くはなりませんでした。どちらかというと先日何の気なしに観始めた『聲の形』(2016年)の方が心に響きました。でもこの作品も面白かったです。とにかく発想が素晴らしいと思いました。入れ替わりという設定がファンタジーなんだけどリアルな感じもして、最後までどうなるんだろう?!と惹き込まれました。

そしてやはり画が綺麗でした。特に最初の空のシーン。ここで一気に惹き込まれました。一瞬、実写?と思ってしまうほどリアルで、且つ色遣いも美しく、どこまでも広がっていく絶景。映画館で観ていたらさぞかし感動しただろうなと思います。

少し前に同監督の『天気の子』(2019年)を観たのですが、両作品とも、神話とか天体的な要素がファンタジーとリアルの絶妙なバランスで描かれています。そんな独特の世界観の中で十代の男女が世の中に翻弄されながらも逞しく生きていくストーリーになっていると思います。

忘れたくないのに忘れていく切なさ。大事な人なのに名前すら思い出せないもどかしさ。誰もがそんな経験を重ねて大人になっていくのかもしれません。成長するってそうやって記憶をアップデートしていく事なのかなとも思いました。記憶に残っていないだけで誰もがこの映画の主人公のような経験をしているのでは?!そう考えるとワクワクします。

セロファン