ヘイトフル・エイトのレビュー・感想・評価
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雪山でのマカロニウェスタン
タランティーノ作品の中では、これまで敬遠してきたが、今回映画館で上映するということで、初めて観た。
3時間弱の長尺だが、わかりやすく章立てしていて、思ったほど長さは感じない。会話劇が基本で、「レザボアドッグス」を思い起こさせる。マイケル・マドセンとティム・ロスも出てるし。
雪山を走る駅馬車に、モリコーネの荘厳かつ躍動的なテーマが重なる。室内での一瞬の銃撃戦と、残虐に殺される死体の数々。タランティーノは、あえて真冬の山中でマカロニウェスタンをやってみたかったのだな、ということがわかる。最後はほとんどスプラッター映画。
黒人であるサミュエル・L・ジャクソンが最も賢く、優れた人物として描かれているのは、「ジャンゴ」と同じ。ジェニファー・ジェイソン・リーの怪演ぶりは凄い。毎度ながらタランティーノは女性をいたぶるのが好きだね。(作品中では)
南北戦争をモチーフにしていることはわかるが、アメリカ人ではないので、正直ピンとはこない。ただ、ジャンル映画の皮を被りながら、本当のところで、今なお続く人種差別問題を訴えたかったと考えると、見た目以上に深いものはある。
密室劇にしては長すぎ
公開二日目のレイトショーで鑑賞。観客は私を含めて5人でした。
上映開始20分後にはいびきが聞こえてきました…。
タランティーノ作品らしからぬ、冗長な演出で、「今のとこ誰も死なない…」展開が長く続き、畳み掛けが始まったときにはもう後半にさしかかろうかという頃。
時系列の逆転や、軽妙に交わされるセリフの応酬、緊張感あふれるバイオレンス描写、刻々と変わる力の逆転劇、効果的に使われる音楽、鮮やかな幕引きなど、タランティーノ節は全開なのですが、今回に限って、一味違います。
『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ』を見て、期待を膨らませていた私としては、見事に期待を裏切られました。
もし、今から見に行こうと思っている人で、『レザボア・ドッグス』を未見の人は、見ておくともっと楽しめると思います。
鑑賞動機:タランティーノのドキュメンタリー9割、タランティーノ1割。
雪の山荘物+タランティーノでこんなになっちゃいましたあ。
もっと犯人が限定されないような持って行き方はあったし、ちょっと反則気味の気もするけど、まあいいか。伏線や小道具の仕込み具合は好き。
タランティーノ監督はお気に入りの監督の一人で、この映画も大好きだ...
タランティーノ監督はお気に入りの監督の一人で、この映画も大好きだ。しかし、最高傑作というわけでは流石にないと思う。正直パルプ・フィクション観てない人がこれ観ようとしてるなら先にそっちを観た方がいいだろう。日本版予告編ではタランティーノがこの作品が最高傑作であることを視聴者に強要している。チャーミングな喋りだが不適切な広告だ。又、ワインステラーと組んだ最後の作品として不名誉な覚えられ方をされそうだ。
内容は、まず役者が素晴らしい。俳優陣はサミュエル・ジャクソン始め、彼の映画では定番となっている人ばかりで安心して観ることができた。
さらに、ストーリーもいつものタランティーノで安心して観れた。
音楽もモリコーネなので外すわけがない。観る前から安心していた。
最早期待通り過ぎて観る意味があったかと自問してしまう。
タランティーノが新しい境地を開いた作品では全くない。いつものお喋り映画だ。
安心して観てほしい。
最後に、サムの服の色が黄色なのに意味はあるのか?知っている方はコメントしてほしい。
ちょっと…
良い作品だとは思いますが、
血が沢山出るのと、人種差別がちょっと
辛かったです。
そのような時代だから、しょうがないとは
思うけれど、連呼されると、可哀想と
思ってしまいました。
それと、昔のスーファミのかまいたちの夜を思い出しました
奇妙な果実
映画館で今やってるギャガ・アカデミー受賞作の上映で観ました。
配信で観れるけど、観よう観ようと思いつつ、時間が長いので後回し後回し…
映画館に行けば追い込まれて観れるので(笑)
不穏で重厚な音楽が鳴り響く物々しいオープニングで、これから凄い物語が始まる事を期待させられゾクゾク、
嘘が交錯する密室ミステリーの謳い文句に、伏線を逃すまいと目を見開いて注意深く観てたけど、
サスペンスチックな、腹を探り会う、静かめの展開に、眠くなってきてダレてきて、もしや駄作か?と思ってたら、
最後の1時間、静から動へと、大きく話が動き、謎が解けていき、本格的に面白くなりました。
最後30分は、すこぶる面白い♪
結果的に、さすがタランティーノ!な出来♪
面白かった♪
ジェニファー・ジェイソン・リーの怪演が凄いです(笑)
奴隷解放のリンカーン大統領が率いる北軍と、奴隷肯定のリー将軍が率いる南軍が戦ったとか、
南北戦争の事や黒人への迫害の歴史を知ってたりすると、もっと面白くなりますね(笑)
評価は、少し甘めの4です。
タランティーノは外さないᕦ(ò_óˇ)ᕤ
どうも僕です この作品は168分というなかなかの長編作です しかしながらさすがのタランティーノ 良くできています オープニングの雪の上の馬車のシーンからタランティーノワールド突入です ストーリーはゆっくり展開していきますが なにげない会話をしっかりと注意して見てください 中盤からラストに向けて繋がっていきます セリフが多いので 自分は吹き替えで見ました タランティーノの作品を見ていつも思うのはムダなシーンが無いことです これだけの長尺でも全く飽きないしある程度の緊張感が持続します 後半はすごい展開しますが見ようによってはホラーにも感じます なんか映画らしい映画というかタランティーノ作品はいつもそうですけど エンターテイメントですね 星⭐️は5点満点でいいんじゃないでしょうか
第4章までが面白く観れるけど、第5章、最終章に至っては長い。 笑え...
第4章までが面白く観れるけど、第5章、最終章に至っては長い。
笑えるとこは流石だなと思うけど、悪趣味みたいな部分が出ていて、他人には薦めにくい。
第1章のメガネかけて大事そうに手紙受け取って、夢中になって読んで
メアリートッドが呼んでいる...メアリートッドだと、いーよぉ、感動だよぉのシーンが非常に好き。
最終章は、デイジーの話を聞こうとした段階で、なんで?と思っちゃって、それ以降が空虚な感じがしてしまった。もうひとひねり最後に何かあるだろうと思ったが、それもなかった。
予告編で見せた部分が全然違うと思って「そこで起きた密室殺人」ていうか堂々とぶっ殺していて、ミステリーとか犯人とかそうでもない。
会話劇として楽しむべきか。
演技の中でさらに別の人物になりすます演技をさせる、創作の中の創作、よく喋る、暴力描写などはタランティーノなんだけど、全体の構成があんまりぽくなかった。
見ごたえはとてもあったけれど。
そして誰もいなくなった
2022年9月11日
映画 #ヘイトフル・エイト (2015年)鑑賞
後半に出てくる紳士服の店は、パブじゃダメだったのかな?どうしても紳士服の店には見えなかったし、あんな辺鄙なところに紳士服の店があっても繁盛しないだろ
と、そのことがずっと気になってました
結局パルプフィクションは超えられない
伊丹十三監督はお葬式から始まる最初の三作(葬式、タンポポ、マルサ)は大傑作だったのに、そのあと妙に期待に応えようとし過ぎてオーバーヒート気味の作品ばかりになってしまいました。
タラちゃんも何と言ってもパルプフクションが凄すぎて、バスターズがそれに次ぐと思いますが、それ以外は変にタラちゃん色を出そうとして「やり過ぎ」の印象大です。
これも、まず2時間50分なんてゴッドファーザーじゃあるまいし長すぎる。90分で十分です。
最後の方はスリリングですが、始まって1時間30分はダラダラしてるし、会話や行為もブツギリで必然性が感じられず、かったるいです。
殺戮シーンはキルビル同様にやり過ぎで、残虐というよりモンティパイソン、あーまたかよってカンジでした。
演出が過剰なワリには演技が抑え気味です。性格設定は異常者ばっかりなんだから、もっと過激な演技してもいいでしょう。
やっぱり独特
相変わらずのの世界観。いろんな物から影響を受けて、それをそのまま内包したままタランティーノ監督の生への味付けがほどこされてる、安定の不愉快血飛沫作品。やっぱり気持ち悪〜い。
この監督のハードボイルドはこんな感じ。と、ハッキリ貫いてるから厨二病的雰囲気があってもファンはやっぱり楽しめるつくりだよね。
これは、タランティーノ作品が一度でも合わなかった人は観なくても問題ないかと。ただ密室劇としては、ほんとよくできてる。
けど、それなら遊星からの物体X観てればイイと思う。
リンカーンからの手紙が届いた❓陛下のお言葉を頂いた‼️
ストーリーよりも展開と演出の妙に惹かれました。
殺しのリアリティが半端なく凄い。
必然性も凄い。
リンカーンの功績でも、現在のアメリカは変わらないのですね。
リンカーンの手紙は創作では無い、真実だと思います、タランテイーノの思いからも。
私も、陛下のお言葉を頂いたことを思い出しました、死ぬまで忘れません。
京都国体で天橋立の玄妙庵でいただきました。
単なる西部劇に題材を取った密室劇ではなかったのです 本当のテーマとメッセージがリンカーン大統領暗殺事件に関連して隠されていたのです
ヘイトフルとは、
誠実であるとか貞節であるとかの意味の、フェイスフル(Faithful)のもじりだと思います
しかし本作の原題はThe Hateful Eight
ヘイトとは、もちろんヘイトスピーチのヘイトです
いやはや全くもって正にヘイトフル
差別用語が縦横無尽に飛び交っています
飛び交っている差別用語の殆どは、黒人に対する侮辱です
そしてそれを反射した白人への憎悪です
エイトとは、
単に「8人いる!」ということの意味に思えます
あるいは荒野の七人(マジェスティックセブン)の語感と、タランティーノ監督の8作品目だというにも掛けてあるようにも感じます
しかし本当のエイトの意味とは、リンカーン大統領暗殺事件に関与して縛り首になった一味が8名であったことを指しているのだと思います
ヘイトフル・エイトとは、その「憎むべき8人」という意味です
リンカーン大統領暗殺事件のことは米国人に取っては学校で習う常識なのでしょうが、私達日本人はそう詳しくありません
詳細を少し知ると、監督の意図が見えて来ます
本作は単なる西部劇に題材を取った密室劇ではなかったのです
本当のテーマとメッセージがリンカーン大統領暗殺事件に関連して隠されていたのです
サミュエル・L・ジャクソンの演じる主人公ウォーレンは少佐と呼ばれています
リンカーン大統領の暗殺現場に居合わせたのは、ある少佐でした
そして主人公の黒人で数々の輝かしい手柄を挙げた元少佐ウォーレンはリンカーン大統領その人から個人的に貰ったという手紙を持っています
リンカーン大統領は、もちろん奴隷解放宣言を発布したその人です
その大統領が賞賛するような大手柄とはなんでしょうか?
奴隷解放に反対する勢力を撃破したことです
つまるところ南軍を大勢殺したということです
手紙に出てくる名前メアリー・トッドは、リンカーンの妻のこと
彼女は悪女で有名でした
悪女を連行中の賞金稼ぎの名はジョン・ルース(John Ruth)
リンカーン大統領の暗殺犯の名前はジョン・ブース(John Booth)
彼は逃亡中射殺されました
彼の仲間の一味8名は逮捕され縛り首になったのです
彼は悪女ドメルグと手錠で繋がって常に横に並んで行動します
一見まるで仲の良い夫婦のように見えるのです
つまり手錠を使いリンカーンが悪女メアリー・トッドと恋愛結婚していたことを連想させているのです
手紙の文面にメアリー・トッドが呼んでいるというくだりにジョン・ルースも、マニックスも微妙な表情を浮かべて彼女の名を呟くのは、誰もが悪女と知っていたからです
つまり密室の中で繰り広げられる血みどろの闘争は南北戦争の縮図なのです
そして暗殺にも似た不意打ち
ラスト手前の縛り首のシーン
それはリンカーン大統領暗殺事件の相似形であったのです
吹雪のなかに孤立したミニー紳士服飾店
その密室とはアメリカのことだったのです
アメリカは今や人種間でいがみ合うヘイトフルな国になり果ててはいないのか?
差別の現場に居合わせていても見て見ぬ振りをしているのではないのか?
それは悪党どもに協力して黙っていた老人の元将軍と同じではないのか?
人種差別を口にするような、そう大してご立派な人間でないにしても、結局悪党どもに手を貸さないで、黒人と力を合わせて正義を貫いたヒーローにあなたはなれるのか?
リンカーン大統領の手紙の内容が私達に問うています
21世紀では、私の奴隷解放宣言の理想にたどりついたのか?と
君達は私と会えるのか?と
私の友だと言えるのか?と
時はゆっくりと変わる
だが確実に
(中略)
我々が進むべき道はまだまだ遠い
だが手をたずさえ共にたどり着こう
忘れないでいて欲しい
君はいつも心の中にいる
願わくは近い将来ぜひ君と会いたい
その日まで私は君の友でいる
露悪的なまでに、スプラッタホラー映画顔負けのグロシーンの連続
それはヘイトフルな今の米国の有り様はこんなものだというタランティーノ監督のメッセージだったのです
まだまだひどくなるというなら誰も生き残れないぞと
このミニー紳士服飾店のように
単なるウェスタンの密室劇ではありません
人種差別、人種間の対立と憎悪の応酬はこのような結末を招くのだとの警告であったのです
BLM運動の先鋭化と、その行く末の不毛の暗澹たる未来を予言していたのです
リンカーン大統領の手紙を音読し終わって「うまい創作だな」というマニックスの台詞
それは言葉どおりの冷笑?
いや本当は手紙の内容に感動している?
あなたはどちらに感じたでしょうか?
タランティーノ監督からの問いかけだったと思います
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