ロブスターのレビュー・感想・評価
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家に帰るまでが鑑賞時間のような不思議な映画
想像よりダークな世界観で、好きとか嫌いとゆうよりは面白いってゆう感触でした。
独身者は罪で、捕らえられて強制的に49日以内にパートナーを見つけさされる。もし相手が出来なければ動物にされる(一応選ばせてくれる)
設定が奇妙で面白いけどこの制限された世界で人々のダークな面がたっぷり描かれてます。けっこうグロい表現も多いし、見終わったあとはモヤモヤしたけど時間差で面白くなってきて思い出し笑いとかしちゃいました。かなり辛辣な世界を舞台にしたダークコメディでもあるのかと。。。
☟☟☟以下ネタバレ☟☟☟
よかったとこ、
子供の足を蹴る主人公
結局見た目だけで冷徹な女を落とすことに決める主人公
落とす為に冷徹なフリしてるとこ
メイドさんのキレキレダンス
めっちゃ巨大なブタを捕獲するレア・セドゥ
で、笑えて好きなシーンでした
愛する相手と同じ欠点を持っていた方が、愛が生まれ安く。そして真実の愛であると思い込んでいる登場人物達の姿が滑稽で分かるような分からないようななんとも言えない気分になりました。
この映画がなんか家に帰るまでが鑑賞時間のような不思議な映画だったなぁ
1日不思議な世界のモヤモヤを引きずる感じ。
ビジュアル面では土っぽいレア・セドゥの美しさ(個人的に綺麗にまとまってないパサパサなセドゥが好き)
鼻血が出る女とメイドさんが可愛いかった
森をありえない動物が歩いてるとことかよかった
意味深ブラックコメディ
まずこの映画のなんともいいようのない雰囲気に一気に飲み込まれました。予告も見ないでいったため、想像と全然違っていました。この映画は今の世界を反映してると思います。
ルールがあり監視されてる集団から逃げて、ある集団に行ってもそこにはルールがあり監視される。
まさに私たちが今住んでる場所と同じだと思いました。
なかなかアクの強いブラックコメディです。
ところどころ笑えるところがありました!
真顔セックスのところはやばかったw
分からないけど面白い
独り身でいることが罪とされ、カップルの愛が失われたり、死別したりした場合、45日以内に新しい相手を見つけなければ、動物にかえられてしまう。
また、主義として「独り身で生きること」を選択したレジスタンスが存在し、そのレジスタンスの中では逆にカップルになることが罪とされる。
何が言いたいのか、何がテーマなのかさえもよく分からないが、奇妙に面白い。
面白い理由はたぶん、非現実的な設定なのに、その中でのリアリティや日常、登場人物たちの切実な悩みや感情が描けているから。
その必死さが笑えたり、笑えてしまえるのが残酷だったりする。
現実世界だって、別にテーマとか決まってないけど、みんなもがいて苦しんで生きてて、その必死さがドラマになり、他人事としてみると面白かったりする。
この世界の人たちはなぜか、「共通する欠落」がないと、真実の愛は得られないと思い込んでいる。
終盤で主人公が失明してしまったヒロインとの愛を取り戻すため、自分の眼をつぶそうと決意するのも、そのため。
また、「共通する欠落」さえあれば、すぐにでもカップルが成立する世界でもある。
奇妙な世界ではあるが、どこか現実の世界にもリンクしている。
例えば、狙った相手の「欠落」を自分も持っていると偽装するために、わざと鼻血を出したり、冷血な心の持ち主を演じたりする。
こんなことは現実にはないような話だが、恋人がいないみじめさに耐えるよりは、あまり好きでもない相手だと分かっていても、妥協して付き合っている人はいくらでもいるだろう。
また、その世界の中での「常識」にしばられ、その常識の中でしか思考できなくなってしまうことは、ありがちなように思う。
一昔前は、「結婚しない男女」というのは社会的に、人間的におかしい、本来の姿ではない、という風潮が非常に強かった。
現実にそういう奇妙な世界に我々は住んでいたのだし、おそらく今の世界も50年後の世界の人が見たら奇妙であることがたくさんあるのだろう。
この映画は、そういった常識や世界観が変わっていく中でも、変わらないものを描こうとしているのかも知れない。
うすうす自分でも欺瞞だと気づいていながら、世間体や生活の安楽のために「あるべき姿」を演じようとするのか、どこかに「真実の何か」「きっと最も価値のあるもの」があると信じて、他の一切を犠牲にするのか。
答えは無いし、誰にも答えは出せない。それは、人間の根本的な不完全さに由来するから。
最後のシーン。男は真実の愛のために眼を突こうとし、女は男がそれを実行するのを待っている。
観客は男に、あるいは女に、感情移入せざるを得ない。「本当に彼女のために失明していいのか? 何のために? 俺は正常な判断をしているのか?」「本当にあの人は自分の眼を突けるのか? 私はそれを信じているのだろうか? そもそもそうまで手に入れなければならない、真実の愛とは何なのか?」
その答えは示されない。示されないので、観客はこの問いを考え続けるしかなくなってしまう。
45日で恋人できない奴は
人としてダメだから動物にしちまえという映画。
乱暴な設定だけれどストーリーを進めていく上で無理はなかったように見える。
彼が戻ってくるのを待つ彼女。それがラストショットだが果たして彼は戻ってきたのか?それとも、、、
こりん星からこんにちは
小倉優子がこりん星出身とのことだったが、この二人も同じ星から飛来してきたのかと。“コリン・ファース”、“コリン・ファレル”。ごちゃごちゃになってて、『キングスマン』の人が主役かと思ったら違っていたみたい。コリン・ファースが演じていたらもっと面白かったかもしれないと思ったのは、ギャップの激しさを期待したせい。でも、こんな間違いをしてたのは小生だけではない筈・・・
こんな戯れ言は置いておいて、本作、とても辛口のブラックジョーク、もっというと、笑えない冗談に散りばめられた物語である。
設定からして突拍子もない内容で、ファーストシーンから、牛を撃ち殺す所からスタート。シュールな幕開けである。
配偶者若しくはカップルの片方が無くなれば、収容所に連行され一定期間内に次のパートナーを探し成立しないと動物に変異されてしまう世界。魔法か何かを使うと思ったら、単なる外科手術らしいから、これ又なかなかグロテスクな設定である。そう、この映画は、設定の空想性としかしその空想を現実の方法で力づくで落とし込むというかなり矛盾した雰囲気がずっと包んでいるのだ。
収容所では、一人より二人の優位性の思想をプロパガンダし、自慰行為さえもコントロールされる。ルールを破ったら、トースターに手を突っ込まれ、指を焼かれる等々。。。 かなりえげつないシーンが随所に続く。メイドが、局部に尻を擦りつけ、しかし射精はさせない生殺し。これも又、パートナーを探させる為の無理矢理なモチベーション高揚。とはいえ、闇雲に又刹那的にカップルにさせないよう、成立後に試験期間を設け、その試験に合格して晴れて収容所から抜けることができる。そんなことをされて機械的にカップルになれる程、人間は都合良く精神が出来てるはずもなく、このキチガイじみた所からの脱出を謀る人間が出る。そんなレジスタントを捕まえる為、パートナー探しの合間に、レジスタントが潜伏している森に狩りに出動させられる。捕まえれば、収容期間が伸び、チャンスは延長される。やっと見つけたパートナーだが、しかし血も涙もない愛情確認(兄が犬に変えられており、その犬を飼っていたが、その犬を殺された)ことで、主人公はレジスタント側に転じる。しかしそこは収容所よりももっと戒律が厳しく、独り者を絶対遵守と位置づけ、決して恋愛をしてはいけないという世界。いちゃついたからという理由で、その二人の唇を切り、無理にキスをさせる等々の罰が設定されている。そんなメーターが振り切れる程の両極端な場所で、皮肉にも主人公は一人の女性を愛し始める。勿論、その行為はみつかってしまい、女性は目を失明させられてしまう。追いやったリーダーを犬の餌にした主人公は、光を奪われた愛する女を連れ、森から抜け出し町に逃げる。立ち寄ったダイナーで、自分も又愛する女と同じように目を突こうとするシーンでこの映画は終わる。ホントに突いたのかどうかは、観客の想像に任せる終わり方だ。
ベースには、出生率低下という社会問題があるのだろうが、メーターの振り切れるような内容はここ最近観ていないだけにかなり興味深く堪能した。
恋愛なんてものはそんな都合良く出来るはずもなく、ましてや何かが介在若しくは強要できるものでもない。例え始めの印象が良くても段々と知らない面が顔を覗くことになるし、同じ趣味、同じ思考だから相性がよいというものでもない。
かといって、一生独身で居続ける事を誓ったとしても、 その途端に運命の人が出現することだって縁だ。そんなことを具体的にいろいろなシーンでブラックな演出を施してみせてくれる。なかなか笑えないモノばかりである。
主人公と仲間になった男が、上手い具合にカップルとなり試用期間を与えられる。その停泊先のヨット内に、侵入した主人公は、 男の嘘を暴露し、別れを強いる。しかしカップルの女は逆に主人公にナイフを突き立て、出ていくよう命じる。 主人公はノコノコと出て行く。その胸にはどんなことが去来していたのだろうか・・・
奇異で過剰な仲間意識
人は必ずパートナーがいなくてはならない、という世の中に生きる人々の"常識"。
そこからはみ出したグループは人を愛してはならないという"ルール"。
そして、足の痛み、鼻血が出やすい、近視など、体の弱点を共有することでしか心を通わせられない"人"。
必ずペアがいなくてはいけないという世界の中で、どれだけミニマムになっても痛みで心の繋がりを求めようとする人々。
「かくあるべきでなければならない」という世の中の常識に対するアイロニーと捉えるべきか?
見方次第で評価は変わる、そんな映画です。
運命を共にする覚悟はあるか?いやガタガタ屁理屈こねてんじゃねえ
私ごとだが、ブログのほうで宣言したひとつが早くも崩れようとしている。
婚活をレポートすることができなくなったのだ。理由は一つ。
そう、今の俺には大事な女性がいる。
「ロブスター」
ロブスターの知られざる生態に、不老不死、というのがある。脱皮時に臓器も新しくなるという驚異の新陳代謝があるからという話だ。しかも食欲も性欲も減退しないという。
その生態は俺たち人間にとってどう映るだろうか。
本作の世界では、独身者はホテルに半ば監禁状態で一定の期間内にパートナーを得ないと動物にされてしまうという。その世界から逃れようとする独身者を狩るとその猶予が伸びる。主人公は、その際、どの動物にされたいかを問われ、ロブスターと答える。
彼にとって、不老不死の生態は何を意味するか?
このホテルでは、せっせと男女の肉体的なふれあいを刺激することで、パートナーのあっせんを行う。この部分はかなり性的表現が激しい。もちろん、あえての演出だ。「生殺し」などとっても効果的なはずだ。
だが、ここにいる独身者はいちいち理屈を垂れて、なかなか進まない。
ここに登場する独身者はわかりやすく、それぞれ欠点を持っている。足の悪い男、滑舌の悪い男、鼻血が簡単に出る女。いちいち理屈は垂れるが、欠点の共有、共感、あるいは優越感を感じることで「ようやく」腰を動かす(もちろん、まじめな意味で)。
要は理屈ばっかり垂れる独身者にさっさと身を固めろと。だが、このホテルでは、動物になることも決して悪いことではない、とも言っている。
がたがた言わず、赴くままに生きろと。独身者の人間性は「がたがた言うこと」に終始している。
中盤、主人公はいったんはパートナーを見つけるが、「合わない部分」が見えると態度を急変し、逃げ出す。もちろんその「合わない部分」は映画では相当な出来事だが、とにかく彼は逃げる。
そのうち、彼は独身者のある集団に合流し、そこで共感を得た女性と親しくなる。彼女は「近視の女」として、欠点をもつ。
次第に二人は熱がこもる。だが、独身者集団は、その二人を許さない。「独身者集団」だからだ。二人に与えられた罰は、「欠点の増幅」であった。その集団からなんとか二人は脱出したが、二人が、そして主人公が選んだ選択は果たして。
ここで主人公のロブスターの生態を望む理由がはっきりする。
不老不死は、「覚悟はいらない」。
つまるところ、そういうことだろう。一人のうのうと生きていたいのだ。
今の俺には、この映画はとても重い。最近ほとんど映画は彼女とみてきたのだが、さすがにこれは一緒にみると、俺は何も話せなくなっただろう。だが一人でみても、これは重い。そして痛い。
追記
不条理コメディ、ということだが、なんの、ホテル側の主張もわかりやすいし、独身者集団の在り方も、そして主人公の考えも明確。きわめてまっとうな物語。
屁理屈こねる独り者への手痛い風刺。実に見ごたえがある映画。
しかし、この映画の持ち味である不条理感があまり面白いとは思わない。音楽も若干うるさすぎる。
バカリズムさん、このシチュエーションでコントやってください。
シュールだなあ。あらすじはほかで散々書いてあるので触れないけど、とにかく僕は笑った。
僕の隣のおじさんも笑ってた。
でも、その周りの人は、そうでもなかった。
日本というよりも、アメリカというよりも、ヨーロッパの笑いかな。たぶん、「フレンチアルプスで起きたこと」が面白かった人にはツボでしょう。
コリン・ファレルのメタボ腹にはびっくりするし、レア・セドゥは不可解だし、ベン・ウィショーはブサイクだけど、全員はまり役。そのだれも全然笑わないからこそ、やってること言ってることが可笑しくなってくる。いや、爆笑ってことじゃなく、失笑の連続がたまにボコッとドツボにはまる感じ。「バイは駄目です、運営に支障がきたしましたので」とか、吹いたもの。「ギターを弾いている前で愛し合う二人が濃厚なキスをする」というシーンが、笑える映画ってあまりない。もしもバカリズムが、この設定でシチュエーションコントをやったら面白いだろうに。
恋愛をするための施設で恋ができず、恋愛が禁止の世界で恋をするジレンマ。自由を求めて外に出て行った奴たちのルールこそ、じつは不自由という矛盾。これ見よがしのサインと奇妙なダンス。そこがまたシュール。だんだん、クジャクやラクダが目の前をごく普通に歩いている世界が、いつのまにかなんとも感じなくなる。
※この下、ラストシーンのネタバレですので。
で。解釈が分かれるだろうと思うのはラスト。
待ちぼうけを食わされてるレイチェル・ワイズで終わり、エンドロール、画面を真っ黒にして音楽もなしに波の音を流す。
これをどうみるか。
おそらく、コリン・ファレルは目を潰すことができなかったんだろう。で、彼女を置いて逃げたのか?もしくは、彼女の目となって生きていくのか?
彼女と一緒にいても、「同じ目」ではないから彼女の愛は消えてしまうだろうな。黙っていたとしても、目が見えなくてもバレる。どのみち、またあの施設にもどるのだよ、コリンは。で、結局伴侶を見つけることができずに、今度は逃げる気も失せていてロブスターになる。だから、波打ち際の音がエンドロールで流れてるんじゃないかな。で、そのロブスターをレイチェルが回顧してる、ナレーション。もちろん、レイチェルは、同じ失明した男と恋に落ちているのだろうけど。
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