劇場公開日 2016年3月5日

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「どんな動物になりたいか・・・」ロブスター kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0どんな動物になりたいか・・・

2020年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ホテルに滞在するときに、何の動物になりたいか聞かれ、「ロブスター」と答えるデヴィッド(ファレル)。足の悪いジョン(ベン・ウィショー)と滑舌の悪いロバート(ジョン・C・ライリー)と親しくなって、散歩したり話し合ったりしていた。ジョンは同じく鼻血を出す女性と仲良くなり、カップル成立となった。デヴィッドは残り7日となったとき、感情を持たない女とカップルになろうと努力するが、さすがに兄を殺されたとあっては我慢ならなくなった。

 ホテルでのルールが全くわからない不条理世界。ダンスや食事なんてのは婚活パーティーみたいなものだったが、セックスOKとか、接客係に勃起させられ時間を計るという訳のわからないしきたりや、自慰行為により厳しく罰せられるとか、何日かに一度みんなでハンティングに出かけ、麻酔銃で撃ち人間の獲物を勝ち取ったら残日数がプラスになっていくルール。セックスしただけではカップルとして認められないというのもおかしな話で、どこか共通点がなければふさわしくないんだな。

 森の中に逃げ込んだデヴィッドは、独身者たちのリーダー(レア・セドゥ)にルールを教えてもらう。ここでは真逆で独りを愛する世界。恋愛禁止で、助け合うことさえ禁止なのだ。そしていざという時のために自分の墓を掘っておかねばならない(笑)。デヴィッドは偶然近視の女(ワイズ)に助けてもらい、お返しにウサギをプレゼントしたことがきっかけとなり、恋に落ちる2人。独りでいると、警官に職務質問されるという恐ろしい世界なので、町に買い出しに行くのも必死なのだが、リーダーの両親に偽装カップルで会ったりするのもおかしな展開。

 デヴィッドは2人で町に駆け落ちしようと試みるが、リーダーに気付かれて近視の女は失明させられる。それでも2人は果敢にも逃亡を試み、リーダーを自分が掘った墓に埋める。ラストはレストランのトイレでデヴィッドがナイフを使って自分の目を失明させようとするところでラストとなる。

 笑っていいのかどうかもわからない世界観。何の希望もないような描写だけに、絶対に住みたくないと思わせる・・・

kossy