劇場公開日 2016年3月5日

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「不条理であるということ。」ロブスター Bluebeatbluesさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5不条理であるということ。

2016年11月21日
iPhoneアプリから投稿

「独り身」が罪に問われる社会で、独身者が森のホテルに軟禁され、45日以内に伴侶を見つけないと「動物」にされてしまうというお話。いわゆるブラック・コメディ映画である。しかしモンティ・パイソンのようなシニカルな笑いを期待する映画ではない。むしろ日本の漫画家・根本敬を彷彿とさせる不条理劇である。笑いたいけど笑えない。泣きたいけど泣けない。目を背けたいけど背けられない。この理不尽な脚本と淡々と残酷な場面を演出することが、監督の意図した「現実の提示」であるような気がする。読後感の悪い書物と同じで、何を感じるかは観る側に残されたまま終わる映画。好き嫌いは分かれますが非常に興味深い作品。

Bluebeatblues