劇場公開日 2016年12月10日

「未来を見据えて戦った男。逆境に挫けなかった一代記!!」海賊とよばれた男 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0未来を見据えて戦った男。逆境に挫けなかった一代記!!

2017年1月7日
PCから投稿

泣ける

単純

知的

【賛否両論チェック】
賛:小さい商店を一代で大会社にした主人公のバイタリティや人柄が、非常に魅力的。降りかかってくる困難を、社員を見捨てずに仲間達とどう乗り越えていくのか、その手腕も感動を呼ぶ。
否:上映時間が長めなので、惹かれないと眠くなってしまいそう。

 始めは小さな石油商店の店主だった鐡造が、そのバイタリティ溢れる不屈の精神と、媚びることのない真っ直ぐな人柄で、やがて商店を大きく成長させていく様子が、淡々とした中にもしっかりと描かれていきます。店員が油まみれになって重油を汲み出しているのを視察した鐡造が、スーツのまま
「仲間に入れろや!!」
と入ろうとして必死で止められたり、
「服が汚れます!!」
と言われても、
「洗えば落ちる。」
と言ってしっかり抱き合うシーンなんかは、鐡造の人柄がにじみ出ていて、とってもステキです。
 同時に、古い慣習や体制に縛られない商店だからこそ、次々と襲い来る困難に対し、知恵や工夫でどう乗り越えていくのか、主人公の手腕にも要注目です。戦時中や戦後を知らない世代でも、胸に響くものがあると思います。
 主人公の半生を描いているので、上映時間が長めなのがネックではありますが、それを感じさせない重厚感のある作品です。

映画コーディネーター・門倉カド