劇場公開日 2017年4月29日

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「キムタクが斬って斬って斬られて斬って」無限の住人 ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5キムタクが斬って斬って斬られて斬って

2017年5月3日
iPhoneアプリから投稿

原作未読。なるほどこの設定はいい!主人公が最初から最後まで滅多斬りされる時代劇なんて無かったもんな。確かにこれは実写化向きの題材だと思う。キムタクが傷だらけの血だらけになるというのも時期的になんとなく味わい深いものがあってよかった。ただ全体的には惜しい作品だった

マンガ原作の映画にはついて回る問題やけど原作数巻分の物語を120分前後に収めるとなるとやっぱりダイジェスト感が生まれてしまうんよな(それに対するひとつの対処法は二部構成やけどそれはそれでまた問題がある)。いまいちアガりきれないまま物語が進んでいってしまう印象を受けるのは否めない

PG-12というのも物足りない。人体欠損描写が緩くなるんよな。「斬る」「人体がバラける」という行為と結果がワンカットで描かれないのはなあ…R-15だったらもっとグロテスクで燃える殺陣になったはず。ただ上映終了後に少年2人組が「『無限の住人』スゲえな!」と興奮していたので許した

間違えても大傑作『十三人の刺客』級を期待したら肩透かしを食らうけどまあ面白かった。とにかくキムタクが斬って斬って斬られて斬って(河島英五風に…)!「型破りな天才」という型を演じ続けてきたキムタクにとってブレイクスルーの一作になると思う(時期的にもね)。そこは流石三池崇史やなと

やっぱりキムタクはスターよな。いつでもキムタク。どうしてもキムタク。スターはそれでいい。そうあってほしい

『無限の住人』はR-15(できれば18)にして主要な敵キャラを2,3人カットして上映時間を100分前後にしたら傑作になったと思う。それができたら苦労せんてな…

ヒートこけし