ボーダーライン(2015)のレビュー・感想・評価
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静かな作品
ドキュメンタリー風味、派手な銃撃戦やアクションを期待するなら物足りないです。ただ、その分リアリティーは十分です。
最初に、今何が起きているのかを正しく見せ、それをどうするかを淡々と見せていきます。
起きていることは間違いなく悪だが、それを解決するにはどうすればいいのか、主人公はそういった現実に打ちのめされ続ける。
よくあるテーマではありますが、そもそも上層部で方針が決定しており、主人公があまり関係できず、ただただ利用され続ける点や、麻薬カルテル側がただのヴィランではなく、家族の心配をしたりもする、一般人に近いものとして描かれているのが特色です。
万人受けするかと聞かれれば首を傾げますが、とても良い作品です。
ディテールに穴あるも迫力あり!
ベネチオ・デルトロが好き…ってことで早速 鑑賞!
初っ端の音響炸裂でビックリでしたが、なかなかのオープニング。血みどろの拷問シーンの類はなかったが 南米、メキシコ、国境突破のためのトンネルなどなど。実際に そんな事件が散々起きてることがわかってる分、ストーリーはリアル、シーン全般に犯罪の凄みのようなオーラが覆いかぶさっているようで、迫力を感じる。
ラスボスの家なのに簡単に進入しちゃうのにはアレッ?って感じでしたが、その後の「神に召されちゃう」シーンは納得、日本じゃダメだろうけどね。
これぞ密入国犯罪 取締りの最前線‼︎
ヒロインも凛々しくてカワイイぞ〜♪( ´▽`)
臨場感は半端ではない
映画館)2016年劇場鑑賞。NO.12(2016.4.11 ユナイテッドシネマ豊洲にて)。映像のリアルさというか臨場感は半端ではない。それを感じる映画と解釈。作品の内容からして話の分かりやすさ、出来を求めてはいけないなと思った。感想はこんなところです。
壮絶な最前線。辿り着いた真実の“正義”とは。
【賛否両論チェック】
賛:息もつかせぬ緊迫感溢れるシーンの連続に息を飲む。衝撃の真相に、“正義”を改めて考えさせられる。
否:主人公のやや感傷的なキャラクターは、賛否両論ありそうなところ。グロシーンも多数あり。
緊迫した“麻薬戦争”の最前線にあって、突入や護送等、どこから攻撃されるか分からない緊張感が、観ていてハラハラすること必至です。
その一方で、麻薬カルテルを取り巻く陰謀や、最後に明らかになる衝撃の真実に、“正義”という言葉の多様性や本質について、改めて考えさせられます。
FBI捜査官にも関わらず、少し感傷的すぎる主人公の性格は、やや賛否ありそうなところではありますが、それほど凄惨な現場という見方も出来そうです。気になった方は是非ご覧下さい。
きました、去年の「アメリカン・スナイパー」を彷彿させる、今季がっかり、ワースト候補
ドゥニ・ビルヌーブ。
「灼熱の魂」「プリズナーズ」そして大好き「複製された男」と世のタブー(人として、そして男として)を描いてきた最も最新作を期待した監督である。
その彼が無情の麻薬カルテルとの攻防を描くという。なるほど。
主演は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」でトム・クルーズを何度も殺したエミリー・ブラント。共演はジョッシュ・ゲス・ブローリン、とベニチオ・どゲス・デル・トロ、である。
「ボーダーライン」
最近は、邦題のダメさは、作品のダメさに比例するとまで思うようになったが、配給会社も本気で後世に残す映画は、邦題も、多少集客度外視でも、マジめに考えることだろう。いや、本作を「ボーダーライン」と名付け、その理由を正義と悪の、あるいは国境の、と勝手にテーマを押し付けてることを親切、と思う人はそれでもいいだろう。
原題「Sicario」
意味は暗殺者。つまりは一人の男の話である。「一人の男の意思」にそして一人の女捜査官が、そして悪も正義も国境もないそんな世界が、振り回される話である。
だが、己の正義感に強い女捜査官が、その世界で打ちのめされる映画は数多くあるし、その姿をドラマチックに描いた「ゼロ・ダーク・サーティ」という決定打がある。
そう、去年の「ハートロッカー」の劣化版ともいえる、「アメリカン・スナイパー」のごとく、今更感がはなはだしい。
本作、「ゼロ・ダーク・サーティ」の持つ、圧倒的な「映画的」緊張感をごっそり欠いている。演出が、この世界の「設定」に甘えている、とは言い過ぎだろうか。
また、麻薬カルテルの話でいうなら、リドリー・スコットの大傑作「悪の法則」で「淡々」と、だが、「ドラマチック」にその恐怖をきっちりと描き切っている。
最近も、無情の世界を生きる、その生き様を悲しくも美しい男を描いた「ディーパンの闘い」という傑作もある。
ドゥニ・ビルヌーブはタブーの世界において、タブーのドラマを描くことで、脚光を浴びたわけだが、「複製された男」で株を下げ(もちろん、オレはこのオトコのタブー映画大好き)、再び「人」としての、「正義と悪」「人とモラル」のタブーの映画に戻ってきたわけだが、本作でちょっとこの監督に対して、映画的マジックを過剰に期待しすぎたかなあという結論。
ゲス2人もそのこれまでのキャリアの「ゲス」っぷりからすると、全然物足りない。
追記
もう一つ、この監督、アクション演出はやめたほうがいい。どことなく、そのダメさもクリント・イーストウッドを彷彿させる(詳しくは「アメリカンスナイパー」の評で)
追記2
「ゼロ・ダーク・サーティ」には女性映画としても見どころもある。「ハートロッカー」の反戦映画の決定打といい、キャサリン・ビグロー監督のすばらしさを思い返すレビューとなったなあ。
とんでもなく異常な世界
メキシコ麻薬カルテルもの、やっぱり最高!
とんでもなく異常な世界。法も秩序もあったものではない。綺麗事なんてない。復讐のためなら手段を選ばない。
そしてアクションシーンのカメラワークが秀逸。緊張感がハンパない。
ベニチオ・デル・トロの「いくとこまでいった」感がすごい。
一瞬たりとも気が抜けない
FBIのエリート捜査官として方やモラルに従った仕事をしてきたのに、突然無法地帯のメキシコ国境での任務に放り込まれたケイト。彼女の成長物語的な映画かと思っていましたが、いい意味で期待を裏切られた。
登場人物の目線に沿った独特のカメラワーク、重厚で重々しい音楽、迫力のあるプロペラ音と銃声・・・笑えるシーンは一切なし、最初から最後まで一瞬たりとも気が抜けない緊張感溢れる映画でした。凄惨な殺しのシーンもリアルに描かれており、ドキュメンタリー映像を見ているような感じがしました。
映画に描かれた、銃声が毎日響き渡るような街が、今も実際に米メキシコ国境にあるのかと思うと胸が痛みます。
ややグロテスクな映像はありますが、ハラハラドキドキしたい人、FBIやCIA捜査官のかっこよさを堪能したいにおすすめ。
緊張感の連続!
久しぶりに見応えある映画に出逢った。
冒頭から最後まで緊張感の連続で、マジ観終わった時、肩凝ってました…
エミリー・ブラントの立場で見ていくと本当に辛いし、絶望的になる。
デルトロはカッコ良過ぎ!久しぶりに震えました。
メキシコの闇、そしてアメリカの闇、その間で起こる事件の中、鼓動が聴こえる様な音楽、全て良かったです。
「ボーダーライン」善と悪の境界線を意味してる邦題は、ぴったりですね。
二つの意味でのボーダーライン
アメリカが抱えるもう一つのリアル。メキシコ国境地域での不法移民と麻薬、そしてそれらに絡む汚職の問題。
キャッチーなポスターが誤解を助長してるように思うんだけど、ただのドンパチモノとして観ちゃうとこの作品の問題提起を見落としちゃうんじゃないかな‥‥。
メキシコ少年のラストシーンが、作品を総括していてぐっときた。
これ、名作です。
圧倒的なリアリティー!
浅薄で勧善懲悪の単純幼稚なハリウッド映画とは一線を画する圧倒的なリアリティーで麻薬戦争を描ききった傑作!
何の説明なく、観客は主人公と同じく麻薬戦争の現場に放り込まれ、全くなすすべもなく、悲惨な現実に直面し、困惑し、絶望する。
凡百な監督なら、主人公が大活躍して麻薬カルテルを破壊するような映画になりそうだが、そうはせず、観客同様に、麻薬戦争に正義も終わりもなく、絶望しかないことを痛感させる。秀逸である!
見終わったとき、傑作ノーカントリーと悪の法則と同じく、本物の映画を見たと感じました。
容赦なし
「トラフィック」で、もさっとした気の良いおっちゃんを演じていた、ベニチオ・デル・トロが本作では、スタイリッシュなドくず野郎を演じています。いやはやその凄みに圧倒されました。
緊張を膨らませる演出が凄まじく、撮影がロジャー・ディーキンスだけあって、切れそうなほどスリリングで美しい映像は必見です。そして、その絵が美しいほどに待ち受ける惨劇の予感がとてもヒリヒリしていて、ある意味心臓に悪い映画でした。
シンプル性を保ちながら徐々に闇の深さがわかってくるような、同時にどんどん主人公は絶望の淵に迫られていくストーリーラインが、とても容赦なく、メキシコの麻薬戦争の現状とフィクションが上手く相まっていて、あっという間の2時間に感じられました。
あと、尋問のシーンをあえて見せなかったり(不気味な呻き声だけ聞こえる)、花火を見せてやるよと言って、国境の向こうの現実を銃声のみで伝えるなどの、隠し方が却って印象に残ってしまうところも上手かったです。
今作では、人がなぜ悪事から抜け出せなくなるのか、どこまでが人として正しい行いなのか、何を守って生きていくべきなのかを考えさせられました。
ジョシュ・ブローリンが前作で出演した「エベレスト」には、デス・ゾーンという言葉が出てきます。人間が順応できない高度を超えた先、いわゆる死の地帯と言われていますが、今作ではエミリー・ブラント演じるケリーが、倫理観における"デス・ゾーン"に踏み入り、観客もその息苦しさを体験することになるわけです。
原題も邦題もずばりこの作品の中枢を突いていて、観終わったあと頷かされました。
現実に米墨の国境で起きていることもあって、迫真性がとても強い良作でした。
追記:
フアレスに入って、陸橋の下にぶら下げられた死体のシーンのすぐ後、銃声がして車列が停まる場面で、アレハンドロの後ろにある掲示板には、若い女性の写真が何枚も貼られています。
きっと、カルテルに誘拐された女性たちでしょうね。
「悪の法則」でも終盤に、誘拐された娘の写真を掲げた親たちがデモするシーンがありましたが、はっきり言って、ぶら下がった死体よりゾッとしました。
現実は、もっと怖いんだろうな
アメリカとメキシコの国境付近における麻薬戦争を描いた作品。
激烈ですねぇ。日本でこの様な事が話題になることはないので、衝撃的です。単に、警察に寄る取り締まりではなく、リアルに“戦争“だと思います。
描かれている内容が圧倒的すぎて、何とも言えません。映画なので、多少の誇張は有るんでしょうが、これに近いことが行われているとすれば怖いです。
非常にトリッキーなのが、アレハンドロのポジション。ああいうことをすると、10年後とかにブーメランで自分自身に返ってくるんですよねぇ。アフガニスタンでの出来事のように。
邦題の『ボーダーライン』は、舞台となっている国境という意味の他、善悪のボーダーラインと言う二つの意味を掛けたんでしょうかね、やっぱり。洋画の邦題はトンデモナイことが多いんですが、そう言う意味では、この邦題はまだ許せますね。
2度と俺に銃を向けるな
悪を討つためには殺してOKという考えに苦悩するFBI捜査官の話で、アクションというよりドラマをみる映画。
善と悪とのボーダーライン…自身が命の危機に何度も遭遇しいる状況だし、主人公が甘くも感じる。
冒頭の突入からの件りは激しさと不穏さにハラハラドキドキしたけど、その後は溜めすぎてテンポが悪いシーンが多く感じた。
刺激的で重苦しい素材を丁寧に
刺激的で重苦しい素材を丁寧に描いて、ちゃんと面白くなるようにしている。
予告で公開されていた冒頭場面からストーリーは一本道だが、主人公がなにも知らない状況から徐々に真相が分かってくるのを観客も目撃する形式になっており、引き込まれる。
過酷な現実をかなり衝撃的なビジュアルで見せられるのでキビしい人はいるかも。
しかしこの映画は、ベニチオ・デルトロに尽きますね。格好いい!
(シカリオ、ってなるほどそういうことか…)
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